百合の花言葉は怖いって本当?ユリの花言葉を色別に詳しく解説!

百合は日本人にとって馴染みのあるユリ科の植物です。キリスト教では聖母マリアの象徴であり、純潔を意味するこの花は、色によって怖いものやロマンチックな物などのさまざまな花言葉を持ちます。この記事では、百合の豆知識や花言葉と、百合の伝説を紹介いたします。

百合の花言葉は怖いって本当?ユリの花言葉を色別に詳しく解説!のイメージ

目次

  1. 1百合ってどんな花?
  2. 2百合にまつわる伝説
  3. 3百合の花言葉と意味
  4. 4黒い百合の花言葉は怖い?
  5. 5知って得する百合のマメ知識
  6. 6ヘラクレスの誕生が百合と関係している?
  7. 7百合は色によってさまざまな花言葉を持っている

百合ってどんな花?

百合の花束

葬儀や結婚式などの改まった場所で用いられることが多い百合には多くの品種があり、種類や花の色によって花言葉が異なります。この記事では、日本や世界の歴史や文化にも深い関わりを持っている百合の花について紹介しています。

ユリとは?

色とりどりの百合

百合はアジア、アメリカ、ヨーロッパなどに分布するユリ科ユリ属の多年草です。日本では一般的に5月から8月にかけて花を咲かせるため、秋に球根を植えます。

日本における百合の歴史は古く、縄文時代には球根が食べられていたと考えられています。また奈良時代に編纂された『古事記』には、神武天皇が百合の花が咲く川辺で妻となる女性を選んだという逸話が記されているほか、『万葉集』にも百合を詠んだ和歌が10首収められています。

江戸時代には百合の観賞や品種改良が行われるようになり、幕末にはシーボルトが南西諸島原産のテッポウユリを欧米に紹介しました。テッポウユリがイースター(キリスト教の祝日)に捧げる「イースター・リリー」と呼ばれて人気を得たことにより、明治時代の日本において、百合の球根は絹に次ぐ主要輸出品の地位を得ました。

 

咲き誇る百合の花

ヨーロッパでも百合の歴史は古く、紀元前2000年ごろにギリシャのクレタ島で栄えたクレタ文明の遺跡には、百合の花が描かれています。また、古代ギリシャやローマの結婚式では、花嫁が頭に百合の冠を載せる習慣がありました。百合が純潔の象徴であるという考え方は、キリスト教にも取り入れられていきます。

フランスを中心とするヨーロッパの国々では、国王が百合の紋章を用いることで、自身の王権やキリスト教の信仰をアピールしました。しかし「フルール・ド・リス」(百合の紋章)に実際に描かれているのは、ユリ科ユリ属の植物ではなく、アヤメやキショウブなどのアヤメ科の花でした。

純潔の象徴である百合の花は、キリストの母マリアのシンボルです。マリアが懐妊を告げられるシーンを受胎告知と呼びますが、聖書では百合の花に関する記載はありません。しかし、レオナルド・ダ・ヴィンチに代表される多くのルネサンス期の画家は、受胎告知をテーマにした絵画に百合の花を描いています。

ユリの由来

百合のつぼみ

ユリという言葉の由来は、大きな花が風に「ゆれる」様子から「ユリ」と呼ばれるようになったという説が一般的ですが、百合の花が咲く川辺で神武天皇に見初められた伊須気余理比売命(いすきよりひめのみこと)の名前の「余理」が訛ったという説もあります。漢字の「百合」は、球根が鱗状に重なり合っている様子から名付けられたものだと言われています。

百合にまつわる伝説

オレンジ色の百合

古くから世界各地で親しまれてきた百合の花には、花言葉の起源にもなったさまざまな伝説や逸話があります。それらの中には、土着信仰に基づいたエピソードや切ない話、読む者を震え上がらせる怖いエピソードも含まれています。

ユリのちょっぴり切ない伝説

咲き誇る紫の百合

『創世記』のアダムと妻イヴは、禁断の果実を食べたためにエデンの園を追放されてしまいます。この時にイヴが流した悲しみの涙が、地面に落ちて白い百合になったという伝説があります。また、聖書には登場しませんが、アダムにはリリス(Lilith)という前妻がいました。多くの悪霊を産んだとされる彼女の象徴は豊穣を意味する百合であり、英語で百合を意味する「lily」の語源になったとも伝えられています。

ギリシャ神話に登場する冥界の神ハーデスは、豊穣の女神デメテルの娘ペルセポネーに恋をして、花を摘んでいた彼女を自身の領地である冥界に連れ去ってしまいます。この時、ペルセポネーはハーデスの象徴である水仙だけではなく、百合を摘んでいたという説があります。彼女が冥界の食物を口にしたことが、四季の起源だと言われています。

百合の花言葉と意味

中央がピンクの百合の花

一般的な百合の花言葉は「純粋」と「無垢」「威厳」です。しかし、花言葉は花の色や品種だけではなく、国によっても異なるため、人に花を贈るときには注意が必要です。ここからは花びらの色ごとに、百合の花言葉を紹介いたします。

①白いユリの花言葉

白い百合の花

白い百合の花言葉は「純潔」「威厳」そして「荘厳」です。「純潔」という花言葉は、百合の花びらの白い色に由来すると言われています。厳粛なセレモニーには百合の花が飾られる事が少なくありませんが、「威厳」や「荘厳」という白い百合の花言葉は地面に咲き誇る立派な姿に由来します。

聖母マリアの受胎告知の場面に描かれている百合は、ヨーロッパ原産のマドンナリリーです。「純潔」という花言葉に加えて、花びらの白い色と香りに魔除けの効果があることから、マドンナリリーに代表される百合の花は花嫁のブーケに用いられています。

葬儀に白い百合が用いられるのは、「威厳」や「荘厳」という花言葉に加えて、百合が枯れて花が地面に落ちる様子が人の首を連想させるからです。1輪の白百合は死者に手向ける花であり、生きている人間への贈り物には向いていません。

②黄色いユリの花言葉

黄色い百合の花

花びらの明るい色に由来する黄色い百合の花言葉は「陽気」と「飾らない美しさ」です。西洋には「天にも昇る心地」という幸せそうな意味の花言葉もありますが、一般的に西洋における黄色は「裏切り」や「差別」などのネガティブなイメージを持っており、黄色い百合には「偽り」と「不安」という花言葉もあります。黄色が裏切りの色なのは、キリストを裏切った弟子のユダが着ていた服の色に由来すると伝えられています。
 

③オレンジのユリの花言葉

オレンジの百合の花

オレンジ色の百合の花言葉は「華麗」と「愉快」、そして「軽率」です。見る者に明るく元気な印象を与えるビタミンカラーから、ポジティブな意味を持つ花言葉が生まれたのかもしれません。しかし、西洋において、オレンジは裏切りの黄色と情熱の赤色の中間の色と見なされており、オレンジの百合には「憎悪」という花言葉もあります。

オレンジの花を咲かせるオニユリは、アジアやグアムに咲いており「賢者」「愉快」「華麗」「富と誇り」などの花言葉を持っています。海辺の砂地や崖に花を咲かせるスカシユリの花言葉は「注目を浴びる」と「飾らぬ美」です。東アジアやロシアの一部などの寒冷地に自生するクルマユリは、「純潔」に加えた「多才な人」という花言葉を持っています。

④赤・ピンクのユリの花言葉

ピンクの百合の花

キリストが磔にされた時、花が頭を垂れて悲しみを示す中、百合だけは頭を上げていました。咲き誇る自分の姿がキリストを慰められると考えたからです。しかし彼と目が合った途端、自身の考え違いに気づいた百合は赤く染まり、頭を垂れました。この逸話が、赤やピンクの百合の「虚栄心」という花言葉につながったと考えられています。赤やピンクの百合には「思わせぶり」という花言葉もあるため、人に贈るには注意が必要です。

しかし、キリスト教徒が多い西洋では、赤い百合の花言葉は「富と繁栄」で、ピンクの百合の花言葉は「優しさ」と「暖かさ」、そして「願い」です。赤やピンクの百合は、国によって花言葉の意味が異なる代表的な植物と言えます。

黒い百合の花言葉は怖い?

黒い百合の花びら

クロユリはユリ科の高山植物ですが、ユリ属ではなくバイモ属に分類されるため、厳密には百合ではありません。エゾクロユリという別名を持ち、アイヌの人々の間には恋愛成就の言い伝えが残っていることから「恋」という花言葉を持つクロユリには、怖い伝説に由来する花言葉もあります。

怖すぎる黒いユリの花言葉と意味

黒い百合の花

戦国武将の佐々成政は、織田信長によって富山城の城主に任命された人物です。彼は小百合という愛妾を可愛がっていたのですが、周囲の嫉妬を受けた彼女は、佐々成政の留守中に別の男性と関係しているという噂を流されてしまいます。小百合は自らの無実を訴えましたが、怒りに震える佐々成政は彼女の言葉を聞き入れませんでした。彼女は死ぬ間際に「立山に黒い百合の花が咲いたときに佐々家は滅びる」と言い残します。

1585年に富山城は大軍に包囲され、降伏した佐々成政は豊臣秀吉に仕えますが、1588年に切腹を命じられます。切腹の理由は、領地として与えられた肥後(現在の熊本県)で発生した一揆の鎮圧に失敗したことだと考えられていますが、北政所(豊臣秀吉の正室ねね)に贈ったクロユリが原因で、佐々成政が彼女の怒りを買っていたという説もあります。小百合の伝説と佐々家の滅亡に関わるクロユリには「呪い」という怖い花言葉が与えられました。

日本と外国では花言葉が異なるケースもありますが、クロユリは匂いが強く、ハエに花粉を運んでもらっているため、ハエとの関連が深い悪魔ベルゼブブを連想する人は少なくありません。西洋にもクロユリに対するポジティブな花言葉は存在しないのです。
 

知って得する百合のマメ知識

色鮮やかな百合

百合の花言葉を知っていても、花を贈る機会でもないかぎり、役に立つことは少ないかもしれません。そこで、実生活に役立ち、百合の花を身近に感じられる豆知識を紹介いたします。

ユリは食べられる

ユリ根の入った鍋

百合はアクが強く、一般的には食べることに向いていませんが、ヤマユリ、オニユリ、コオニユリ、ササユリなどの品種は食べることができ、球根(鱗茎)の部分が、ユリ根として市場に流通しています。江戸時代から栽培が始まったユリ根は栄養価が高く、正月料理では「子孫繁栄」や「無病息災」の意味を持ちます。漢方薬や生薬に用いられるユリ根は百合(びゃくごう)と呼ばれ、肺の解熱や保湿、咳止めなどの効果があります。

ただし、観賞用の百合は、食用のものと品種が違ったり、農薬が使われていることもあるので、口に入れるべきではありません。また、百合は猫にとって猛毒です。百合を活けていた花瓶の水を飲んだだけでも重い中毒症状に陥る可能性があるため、猫を飼っている人は注意が必要です。
 

実は100品種もあるユリ

水辺に咲く百合

原種と改良種を合わせて、百合には約130種類もの種類があります。日本には約15種類の百合が自生しており、それらの中にはヤマユリやテッポウユリなどの日本固有の品種も存在します。

1970年代にオランダで誕生したカサブランカは、ヤマユリとタモトユリを交配して作られた品種で、「威厳」と「純潔」に加えて、「高貴」や「祝賀」という花言葉があります。花びらの鹿の子模様が名前の由来になったカノコユリには「慈悲深さ」と「上品」だけではなく、「親孝行」という花言葉もあります。シーボルトによって欧米に紹介され、明治時代から1970年代にかけて輸出品として外貨を獲得したことが、花言葉の由来なのかもしれません。

ことわざにも出てくるユリ

白い百合の花とつぼみ

江戸時代の書物にも書かれている「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」ということわざは、女性の容姿や所作の美しさを花に例えたものです。また、この言葉は花の鑑賞法を意味しているという説もあります。

英語にはシェイクスピアが歴史劇『ジョン王』で用いた「Gild the lily」(百合に金メッキ)ということわざがあります。この言葉は美しいものに余計な飾りをすることで、「Paint the lily」(百合に絵具)という表現も同じ意味で使われます。

ヘラクレスの誕生が百合と関係している?

ギリシャのパルテノン神殿

ギリシャ神話には、水に映る自分自身の姿に恋い焦がれて死後水仙の花となったナルキッソスや、イノシシ狩りで命を落とし、流した血がアネモネの花となったアドニスのように、花に関する多くのエピソードが登場します。百合の花は、ギリシャ神話の大神ゼウスの息子で、多くの冒険を成し遂げた英雄ヘラクレスと深い関わりを持っています。

ギリシャ神話とユリの関係

白百合の花畑

ヘラクレスという名前には「ヘラの栄光」という意味がありますが、ゼウスは飲んだ者を不死する効能を持つヘラの乳をヘラクレスに与えようとしましたが、ゼウスの正妻であるヘラにとってヘラクレスは「夫が浮気相手に産ませた子」でした。彼女が眠っている間に、ゼウスはヘラクレスに乳を飲ませようとしたのですが、ヘラの乳に吸いつくヘラクレスの力が強すぎたために、ヘラは痛みで目を覚ましてしまいました。

この時宙に舞ったヘラの乳は星(天の川)となり、地面に落ちた乳は白い百合の花になったと伝えられています。ヘラは夫の浮気相手や子に報復する怖い女神だと考えられがちですが、彼女は結婚や出産、家庭の守り神でもあり、白い百合は母性や純潔を象徴する「ヘラの花」と言われています。彼女はローマ神話の女神ユノーと同一視されており、6月に結婚すると幸福が訪れるという「ジューン・ブライド」はこの女神の名前に由来します。
 

百合は色によってさまざまな花言葉を持っている

百合に止まる蝶

百合という植物について、世界各国の文化や歴史を紹介しました。100種類以上の品種と鮮やかな花の色が特徴の百合には、花言葉の由来となった数多くの伝説やエピソードが存在します。人に百合の花を贈るときには、花言葉や色はもちろん、相手の状態にも気を配ることが望ましいといえます。

関連するまとめ

Noimage
この記事のライター
まりもも
面白くためになる記事を提供したいと思います。よろしくお願いいたします。

人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ