2019年09月19日公開
2020年07月21日更新
クロスバイクのブルホーン化!ブレーキの位置がポイント?パターン別にご紹介!
クロスバイクで最近流行っているのがハンドルをブルホーンに変えることです。ブルホーンに交換することによるメリットとデメリットを整理して解説し、ブレーキの位置によるエビホーンタイプやSTI仕様などシフターブレーキとの位置関係など気になる内容をまとめて紹介します。

目次
ブルホーンとは?
ブルホーンバーというのは、その名のごとく「ブルホーン=牛の角」のような形をした自転車のハンドルのことです。ドロップハンドルに比べて軽量で空気抵抗が少ないため、タイムトライアルやトライアスロンで使用する競技用自転車に多く採用されています。
ブルホーンハンドルが最近ではクロスバイクに装着して走りを楽しむ人が増えています。見た目のカッコよさと意外と便利な使用感が人気の追い風となっており、更に増えていく傾向にあります。人とは違ったスタイルに改造して自分だけのクロスバイクに仕上げたいと思う人が多いようです。
クロスバイクのストレートハンドルをブルホーンハンドルに交換する場合に、単純にブルホーンハンドルに変えるのではなく様々なやり方があります。大きなポイントとしてはブレーキの位置をどこにするかということです。
どのブレーキタイプのアイテムを使用してブルホーンハンドル化するか、それぞれのやり方にはどのようなメリットとデメリットがあるのかを解説していきます。この内容を参考に専門店でも実物を見たり相談して自分のクロスバイクをどのようにブレーキと組合わせてブルホーン化するかを考えて見てください。
クロスバイクをブルホーン化するメリット
ブルホーン化のメリット①手や腕が疲れにくい
ブルホーンバーは人間の体の自然な形でハンドルを握ることができます。つまり脇を締めたままでひじをまげて自然な動きで両手を持ち上げると手のひらは内側に向くという自然な向きでハンドルやブレーキレバーを握れます。
そのため自転車に長時間乗っても手首や腕が疲れにくいというメリットがあります。ブルホーンハンドルでも先端付近や手前の部分、角の根元の曲がっている部分など、握る位置を変えることで長時間のロングライドでも楽に走ることができます。
ブルホーン化のメリット②お尻の痛みの軽減
ハンドルのブルホーン化によって、フラットバーの場合に比べて走行中のお尻の痛みが軽減されます。ブレーキなどのポジショニングの変化によって体の重心が前側に移行するので、サドルにかかる重心の比重が減るためです。
フラットハンドルが付いたクロスバイクではアップライトな乗車姿勢になるため、サドルにかかる体重の割合が大きくなるので、どうしても長時間走行ではお尻が痛くなりやすいことをブルホーンで適度な前傾姿勢になることで体重が分散されます。
ブルホーン化のメリット③スピードが出しやすくなる
ストレートハンドルの場合は体が立つような姿勢で走行するので、スピードよりも快適性を重視した走りになります。そのような姿勢でスピードを求めると、ペダルに力が入りにくいのでペダリングが難しかったり膝を痛める元になります。
ブルホーンハンドルに交換すると、前景姿勢になるため空気抵抗が少なくなり同じ力でペダルを踏んでもスピードが上がるようになります。例えばストレートハンドルで平均速度18kmだった人が、ブルホーンハンドルに交換後には平均速度22kmに上がった記録もあります。その分ブレーキを使いやすい位置に配置する必要もあります。
ブルホーン化のメリット④坂道も楽に登れる
ストレートハンドルの場合は姿勢が立っているので、登り坂を上る時は普通にゆっくり走ることは可能で不都合はありません。しかしある程度スピードを出して坂道を登りたい人は前傾姿勢でしっかりとペダルを踏みこむようになります。
力を入れてしっかりとペダルを踏みこむ場合は、ストレートハンドルよりもブルホーンハンドルが適しています。前傾姿勢を保ちながら、ブルホーンの先端を握ってペダルを踏むことができるからです。思った以上にスイスイと登っていけます。
ブルホーン化のメリット⑤風に強い
ブルホーンハンドルで前傾姿勢となることで、空気抵抗を減らすというメリットもあります。自転車競技などでの高速走行ではこの差が如実に現れますが、普通のツーリングでも向かい風の中で走行すると前傾姿勢による空気抵抗の軽減を実感できます。
海辺を走るツーリングなどでは向かい風が強い状況で走ることも多いですが、アップライトなポジションのクロスバイクで走るとすぐに疲れてしまいます。ブルホーンハンドルに変えると、向かい風に格段と強くなり疲れがかなり減って長距離走行が苦にならずブレーキングもスムーズです。
クロスバイクをブルホーン化するデメリット
ブルホーン化のデメリット①お金がかかる
クロスバイクにブルホーンハンドルが最初から装備されているモデルは少ないため、後からブルホーンハンドルを購入する必要があります。またブルホーンハンドルの形やサイズによっては自分のクロスバイクにマッチしないものもあるため注意が必要です。
ブルホーンハンドルの合わせ方としては一般的にスローピングフレームにはドロップしているブルホーンが、ホリゾンタルフレームにはブルホーンまでストレートなタイプが合わせられますが、購入の際は専門店で確認するなど慎重に選ぶ必要があります。
ブルホーン化のデメリット②アクセサリーがつけられない
ブルホーン化のデメリットとして結構大きな問題とされるのが、アクセサリーがつけづらくなる点です。ライトやスマホホルダー、アクションカムなど、ハンドルに色々なアクセサリーを付けて走りたい人には困る点です。
細長くて横幅を取らないものならブレーキやシフターに寄せて付けられますが、取付位置を制限されるものや幅が大きめのものは固定具がブレーキやシフターに干渉してしまう場合があります。ブルホーンに変えた後にどのようにアクセサリーが付けられるかよく考えておく必要があります。
ブルホーン化のデメリット③シフター・ブレーキに手が届かない
ブルホーンハンドルに交換した場合に、ブレーキやシフターをフラット部分に取り付けると角部分を握った時にブレーキに手が届きません。見通しが悪い道や歩道などで人が多い道を走る時には常にブレーキに手が届くよう注意が必要です。
見通しが良くスピードが出せる場所では、ブルホーンの角の部分を握って快適に走行し、見通しが悪い場所などではフラット部分を握ってブレーキをすぐに使えるようスピードを落とすという切り替えを意識しておくことが大切です。
ブルホーン化のブレーキパターン【エビホーン】
エビホーン化とは
ハンドルをフラットバーからブルホーンに付け替えた後で、フラットバー用のシフターとブレーキを逆につけて装着する改造方法をエビホーン化と呼びます。ブレーキ類を逆付けするためにワイヤーが前方に飛び出てエビの髭のように見えるためエビホーンと呼ばれます。
フラットバーと同じ径である必要があり、ハンドルが22.2mmでクランプ径が25.4mmのブルホーンハンドルを使用しないとエビホーンになりません。エビホーンはパイプ径とブレーキ、シフター径をよく確認してそろえる必要があります。
エビホーン化のメリット
エビホーン化はもともとのフラットバーで使用していたシフターとブレーキをそのまま流用するので、コストが安く抑えられて改造も比較的簡単に行えます。流用ブルホーン化のようにストレートハンドル部分でしかブレーキ操作ができないということはありません。
エビホーン化ではブルホーンの先端にブレーキやシフターがあるためブルホーンハンドルに改造したメリットを活かしながらブレーキやシフトチェンジの操作できるメリットがあります。またブレーキやシフターは流用できるので改造費用を少なめに抑えることができるのも嬉しい点です。
エビホーン化のデメリット
エビホーンのデメリットはワイヤー類がエビの髭のように飛び出すので、見た目がかっこいいと見るかダサいと見るかは人によって意見が分かれます。ゴチャゴチャ感はどうしてもあるので、ブレーキをかけにくいとか見た目が悪い印象になりがちです。
その上さらに飛び出たワイヤーやブレーキ類にモノが引っ掛かりやすいので、ワイヤーの取り回し方によっては対抗するロードバイクやクロスバイクの人に引っ掛かり事故を起こす可能性があります。安全面で少し不安が残る改造になるので人と違った見た目にしたい人以外にはエビホーン化はデメリットの方が大きいかも知れません。
ブルホーン化のブレーキパターン【STIレバー仕様】
STIレバー仕様とは
ロードバイクなどのドロップハンドルでは、同じ場所でブレーキングとシフトチェンジが行える一体型のレバーが装着されていることが多いです。これはレース仕様であり、わざわざハンドルを持ち変えずに操作ができるように合理性重視で生まれました。
これをSTIレバーと呼ぶことが多いですが、本来はシマノ社の製品名なので一体型レバーの総称というわけではありません。しかしSTIレバーが定着しており、全般的に一体型レバーをSTIレバーと呼んでいます。
STIレバー仕様のメリット
STI化の一番大きなメリットはブレーキやシフト操作の感覚がロードバイクに近いことになります。初心者の人にはあまり分からない感覚ですが、色々な自転車を乗ってきた人には自分なりのこだわりがあり、クロスバイクでもロードバイクの感覚を求める人には必要なブレーキパターンです。
STIレバー1つで、ブレーキやシフトチェンジが行えるため、ワイヤーの取り回しが目立たないように工夫できる点もメリットと言えます。他の方法よりもブレーキを使いやすいとも言えます。
STIレバー仕様のデメリット
STI化のデメリットは根本的な問題としてVブレーキとの互換性がないことです。Vブレーキが引けないため、ミニVブレーキやカンチブレーキ、キャリパーブレーキへの変換が必要となる点です。人によっては見た目がダサいと感じられることがデメリットです。
クロスバイクのブレーキをSTIレバーに交換するのなら、最初からロードバイクを購入した方がスムーズにブレーキを使えると思う人が多いので、あまりメリットが感じられないかも知れません。ドロップハンドルではあまり目立たないブラケット部分が、ブルホーンでは目立ってしまうのでデメリットと感じる場合があります。
ブルホーン化のブレーキパターン【エアロブレーキとサムシフター仕様】
エアロブレーキとサムシフター仕様とは
トライアスロン仕様のDHバーやタイムトライアル自転車とともにブルホーンバーが使用されるときには、ブルホーンバーにはエアロブレーキが装着されておりDHバーの先には親指でシフト操作できるサムシフターが取り付けられています。
これらの組み合わせを採用して、ブルホーンハンドルのバーエンドにエアロブレーキとサムシフターを装着した改造のやり方がこのパターンになります。エビホーンのように流用したためにブレーキのワイヤーが飛び出るということがなく、ブレーキングも行いやすくなります。
エアロブレーキとサムシフター仕様のメリット
エアロブレーキとサムシフターがそもそもコンパクトなので、バーエンドに取り付けてもSTIタイプのような頭でっかちな印象になりません。ある面ではブルホーン化する方法の中では理想的なブレーキの組合せとも言えます。
アーバンスポーツ自転車として設計されたシマノのMETREAでも同様の仕様になっており、ブレーキングが都会的で洗練されたスタイリッシュな見た目にすることができます。見た目をスッキリとさせたい人、見た目重視の人にはおすすめの方法と言えます。
エアロブレーキとサムシフター仕様のデメリット
デメリットとしては、そもそもVブレーキに対応していません。サムシフターにエアロブレーキレバー、エアロブレーキレバーに対するようにミニVブレーキまたはカンチブレーキに交換する必要があるため、ブルホーン化の方法の中では一番出費が大きくなります。
他のブルホーン化の方法に比べると、ブレーキやシフト操作などの操作性では少し劣ることがデメリットになります。シフターで何を選択するかで見た目と操作性が変わってくるので、自分がどのような走行をしたいのかよく考えてどのパターンでブルホーン化するかを考えることが必要です。
ブルホーン化のブレーキパターン【ギドネットレバー】
ギドネットレバーでブルホーン化とは
伝統的なデザインが好みの人には、ブルホーンハンドルの形状に合わせて大きく湾曲したギドネットレバーを使うというブレーキの選択肢もあります。もともと旅行用のランドナーなどに使われてきたブレーキレバーです。
ブレーキレバーを引ける手の置き場所が広くなるので、見た目だけではなく機能的にも便利で操作性が良いと感じる人も多いです。Vブレーキには対応していないので、ミニVブレーキやカンチブレーキに交換するなどの対応も必要になります。
ギドネットレバーでブルホーン化のメリット
ギドネットレバーとバーエンドコントローラーでブレーキワイヤーの取り回しをスッキリとさせることができるのが大きなメリットです。ストレート部分でもブレーキングが行えて、シフトチェンジはバーエンド側になるためブレーキを考慮すると安全性は高いと言えます。
どちらかと言えば、サムシフターとエアロブレーキレバーがスポーツ機能向き、ギドネットレバーとバーエンドコントローラーは安全性能重視というすみわけができます。
ギドネットレバーでブルホーン化のデメリット
ストレート部分でシフトチェンジする人には、バーエンドコントローラーではなく流用シフターで十分と感じるので、バーエンドコントローラーは自己満足の世界になりやすいとも言えます。
バーエンドコントローラーとギドネットレバーとミニVブレーキおよびカンチブレーキとサムシフターとエアロブレーキレバー同様に改造費がかなりの高額になる傾向があります。
クロスバイクのブルホーン化はブレーキによってさまざまなタイプがある
クロスバイクのハンドルをストレートバーからブルホーンハンドルに交換してより走りを楽しむ人が増えています。ブルホーン化の方法にもブレーキのパターンによってさまざまな方法があります。
自分の予算と改造後の見た目やメリットとデメリットを良く整理して、愛車のクロスバイクをこの世でオンリーワンのかっこいい快走クロスバイクに変身させて自転車ライフをより楽しみましょう!
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