2020年08月18日公開
2020年08月18日更新
軽アイゼンとは?アイゼンの基礎知識からおすすめのアイゼンまで厳選紹介!
冬場の低山や春夏の雪渓歩行などでは、間違いなく雪の上を歩いて登る必要があるので軽アイゼンを装備していくと安心して登ることができます。今回は、軽アイゼンとはどんなものなのか、使い方やおすすめのモデルなどについてご紹介していきます。

軽アイゼンとは?
冬に低山を歩いて登る際はもちろんの事、夏場の雪渓歩行でも意外にも多く雪が残っている事があり、季節を問わず軽アイゼンを用意しておくと最悪使わないまでも安心して進めます。まずは、軽アイゼンがどんなアイテムなのかを解説します。
軽アイゼンは氷や雪の上を歩く時の必須アイテム
まず、アイゼンというアイテムは、氷で凍った上や雪の上を安全に歩行していくために必要な、登山用の靴の下に装着する装備です。尖ったスパイクが設けられており、これが氷や雪に刺さってしっかりと捉え、足場を確保する役割があります。
アイゼンと言ってもいくつかの種類があり、それらは爪の数に依って大別されていますが、軽アイゼンは爪が4本から6本程度のものを指します。急な昇り降りには不向きですが、なだらかな道を歩く上では適切な装備であるといえます。

アイゼンの種類と選び方
先に解説した通り、アイゼンの役割は爪によって足場を確保し、安全に氷や雪の上を歩くために必要になる装備です。本格的な傾斜の厳しい冬山の登山では必需品の1つに数えられるほど大切なアイテムで、傾斜が緩やかでもあれば安全を確保できます。
そんなアイゼンは爪の数によって種類が分けられており、それぞれ山の険しさなどで適するシーンが異なっています。
アイゼンには種類がある
まず、今回解説する軽アイゼンと呼ばれるものは、爪が4本から6本程度あり、4本程度なら平坦な雪渓歩行に最も適し、6本爪は険しくない傾斜のある山でも対応できます。双方とも急な斜面のある様な山野登山には不向きです。
8本の爪があるアイゼンは、爪が多くなる分軽アイゼンよりも安定性に優れ、積雪する時期の低山や冬期の縦走までなら対応できます。そして、10本から12本ほどの爪のあるアイゼンはアルパインクライミングを始めとした本格的な登山も行えます。
アイゼンの選び方
この様に爪の数に依って種類が分かれているアイゼンですが、基本的な選び方は登る山の険しさに合わせて選択する事です。軽アイゼンの選び方としては、あまり傾斜のきつくない山や、深い雪が積もっていない状態の雪渓歩行辺りが最も適切です。
8本の爪があるアイゼンなら、積雪時の登山などある程度雪のある様な状況での登山に向いていますし、本格的に雪山の登山なら10から12本の爪を持つアイゼンを使用します。また、チェーンスパイクと呼ばれるものは爪が無く、ハイキング程度の軽い登山向きです。
軽アイゼンの使い方
アイゼンの大まかな種類と適した選び方などについてを解説しました。軽アイゼンの主な用途が理解できたところで、続いては実際に軽アイゼンはどのように使うのか、装着の仕方や歩き方等を解説します。
軽アイゼンの装着の仕方
まず、軽アイゼンの装着方法についてです。アイゼンはラチェット式やワンタッチ式、セミワンタッチ式など、大きく分けて4種類の装着方式がありますが、その中の例としてバックル式の軽アイゼンの装着の手順を見ていきましょう。
- 裏にある2つのネジを六角レンチで緩め、横アイゼンの幅を調整する
- 踵とアイゼンの突起を合わせ、幅を調整する
- 合った場所で固定しながら、緩めたネジを締める
- バンドをバックルへ通して、レバーを上げて締めつつ調整する
装着方法を動画で確認
動画でも軽アイゼンの装着の手順が紹介されています。動画の中では6本爪のアイゼンの装備の仕方が解説されており、初めてアイゼンを使われるようなビギナーの方は、こうした動画を参考にしながら装備していくとスムーズに進められるでしょう。
軽アイゼンを使った歩き方のコツ
しっかり装着が出来たら、次は登山でも歩ける様に歩き方のコツも覚えておきましょう。まずは、軽アイゼンの装着に不備が無いかを確認しましょう。実際に歩いている中で不備があったら、歩行中の想定外の怪我に繋がってしまう可能性もあります。
基本的にアイゼンを履いて歩くときには、雪面に対してフラットに足を置きます。軽アイゼンの様に4本から6本の爪のあるものは、土踏まずの部分に爪がありますから、8本以上の爪のあるアイゼンと比較しても安定感に欠けています。
安定感の無さは、特に下っていくときに細心の注意が必要になります。フラットフッティングという緩めの傾斜や単調な斜面での歩き方は、傾斜に対してアイゼンの爪が全て刺さるような角度で進む歩き方です。
分かりやすく説明すると、フラットフッティングはがに股気味で歩く意識を持つということです。理由はスパッツに引っ掛かって転んでしまう可能性もあるからです。靴底部分には雪が付着するので、その際はストックなどを使って落としてあげましょう。
おすすめの軽アイゼン【4本爪】
アイゼンの種類と軽アイゼンの立ち位置、そして装着の手順や歩き方のコツなどについて解説してきました。ここからは、おすすめの軽アイゼンのモデルを紹介していきます。まずは、4本爪のモデルからになります。
おすすめ①エバニュー 4本爪アイゼン
まず1点目はエバニューの「4本爪アイゼン」になります。夏場の季節の雪渓歩行向けの4本爪軽アイゼンであり、装着方法はゴムバンド式で比較的簡単です。トレッキングシューズ、ローカットシューズなど、幅広い靴に対応しています。
サイズ | フリーサイズ |
本体重量 | 約260g |
装着方式 | バックル式 |
材質 | 炭素鋼 |
おすすめ②モンベル スノースパイク シングルフィット
2点目はモンベルから「スノースパイク シングルフィット」です。冬の低山、夏の雪渓を歩行するのに適しているモンベル製の4本爪軽アイゼンで、登山に限らず大雪の中での歩行も助けてくれます。脱着が容易で、初心者でも扱いやすいです。
サイズ | フリーサイズ(21.5~30.0cm) |
収納時サイズ | 5×10×7cm |
本体重量 | 180g |
材質 | S55C鋼、エラストマー |
おすすめ③マウンテンダックス 4本爪アイゼン
4本爪の軽アイゼンで最後のおすすめモデルは、マウンテンダックスの製品です。特に爪の部分の頑丈さに優れており、前述したモンベル製のモデルよりも耐久性では勝っているとされています。品質や耐久性を重視したい方向けです。
本体重量(片足) | 約90g |
材質 | 炭素鋼板 |
付属 | 収納ケース、スノープレート付 |
価格 | ¥2,980 |
おすすめの軽アイゼン【6本爪】
4本爪の軽アイゼンでおすすめのモデルを3点ご紹介しました。脱着が簡単にできるモデルが多い為、初めてアイゼンを使用される方でも扱いやすいでしょう。続いては、もっとしっかり地面を捉えられる6本爪のおすすめモデルです。
おすすめ④エバニュー 6本爪アイゼン EBY014
エバニューの「6本爪アイゼン EBY014」は、夏の雪渓や冬の低山歩行向けのモデルです。ダンゴ上の雪が付いてしまうのを防ぐスノープレートが付属しており、ラチェット式の装着の楽さや安心感のある6本の爪が評価されています。
本体重量 | S500g、L520g |
サイズ展開 | イエローL(25~28cm)オレンジS(22.0-24.5cm) |
材質 | 炭素鋼 |
付属 | スノープレート、六角レンチ、収納袋 |
おすすめ⑤ベルモント BS-028 軽量6本爪アイゼン
ベルモントから「BS-028 軽量6本爪アイゼン」のご紹介になります。バンド式で靴との密着感を高めており、劣化した場合もバンド部分を交換して長く使えます。全面にスノープレート付きで、雪ダンゴの付着を防いでくれます。
本体サイズ | 長さ165mm×巾フリー |
本体重量 | 約550g |
材質 | クロロプレンゴム、マグネシウム、ポリプロピレン、ナイロン |
付属 | スノーガード・バンド・スパナ・ケース |
おすすめ⑥マウンテンダックス 6本爪アイゼン
最後はマウンテンダックスの「6本爪アイゼンHG120」です。両サイドのワイヤーとチェーンに依り履く際の調整は不要で、また収納用の袋には装着の手順がイラストで記載されているなど、スムーズに履くための配慮がなされています。
本体重量(片足) | 226g |
材質 | 炭素鋼 |
付属 | 収納ケース、スノープレート |
価格 | ¥7,260 |
軽アイゼンの使い方をマスターして雪道を安全に歩こう!
軽アイゼンは、使うか使わないか分からない様な登山のシーンでも、あれば間違いなく安全な登頂を助けてくれる便利なアイテムです。特段、軽アイゼンの様な4本から6本の爪を持つアイゼンは使う場所こそ限られますが、逆に言えば適するシーンでは非常に有用です。
登山用の靴等の上から装着して使うため、初めての方は歩きにくさに苦労するかもしれません。しかし、ご紹介した様なコツさえつかむことが出来れば、使い方もそこまで難しい事はありませんから、是非使ってみて下さい。
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