泳ぎ続ける魚「回遊魚」とは?疑問から魚の種類まで詳しく紹介!
「回遊魚」とはマグロやカツオのように、海の中を常に泳ぎ続けて生活をしている魚を指す総称です。今回は、回遊魚を釣るためのポイントや「睡眠をとると本当に死ぬのか?」といった疑問にお答えします。また魚の種類も、詳しくご紹介していくので是非参考にして下さい。

泳ぎ続ける「回遊魚」とは?
回遊魚とは「海の中を常に泳ぎ続けて生活をしている魚」を指す総称で、マグロやカツオ・イワシ・タチウオなどの魚がその種類に分類されます。
ここでは、「回遊魚は泳ぎ続けないといけないのは本当なのか?」「回遊魚は睡眠をとると本当に死ぬのか?」といった疑問について詳しく解説していきます。また、回遊魚の種類もご紹介していくので是非ご覧下さい。
なぜ回遊するのか
回遊魚は、ただ無暗に泳ぎ続けているわけではありません。回遊するには、きちんとした理由があります。ここでは、回遊魚が泳ぎ続ける理由について考えていきましょう。
回遊する理由としてあげられるのは、自分達が過ごしやすい場所に移動しているということです。海水温は季節ごとに変化していきます。
それに伴い、餌が豊富に採れる場所や産卵に適した場所も変わっていきます。季節ごとに変化する厳しい状況を避け、少しでも自分達が過ごしやすい場所を求めて、回遊していると考えられています。
回遊魚を釣るためのポイント
ここでは、回遊魚を釣るためのポイントをチェックしていきましょう。幅広エリアを移動すると言われる回遊魚は、様々な場所に出没します。特に餌となる魚が多く集まる場所には、大型の魚が回遊してくる可能性があります。
また湾外から潮流が入ってくる漁港であれば、湾内でも回遊魚を狙うことができるので、まずは潮の流れをチェックし、餌となる魚達が集まりやすい場所を探し出すのがポイントです。
回遊魚についての疑問
回遊魚が回遊する理由や釣るためのポイントをチェックした後は、「回遊魚は泳ぎ続けないといけないのは本当なのか?」「回遊魚は睡眠をとると本当に死ぬのか?」といった疑問について解説していきます。
回遊魚は泳ぎ続けないといけないのは本当?
まずは、「回遊魚は泳ぎ続けないといけないのは本当?」という疑問について考えていきましょう。
回遊魚が泳ぎ続ける理由には、少しでも自分達が過ごしやすい場所を求めてい移動する以外にも、「呼吸のため」や「沈まないため」ということがあげられます。
通常、ほとんどの魚達は口と鰓を動かし、口から鰓に水を通過させることで、二酸化炭素を排出し水中の酸素を吸収する鰓呼吸をしています。
回遊魚の中にも、マアジやタチウオのように鰓呼吸をしている種類もいますが、マグロやカツオなど多くの回遊魚には、鰓を動かす機能が備わっていません。
そのため、回遊魚の多くが、口を開けて泳ぐことで鰓に海水を流し込む「ラムジュート換水法」と呼ばれる呼吸方を行っています。
またマグロのように身体の密度が高く、比重の大きい魚は泳ぎ続けていないと沈んでしまうことから、回遊魚の中には、泳ぎ続けないといけない魚がいるのは事実と言えるでしょう。
止まってはいけない回遊魚は睡眠をとると死ぬ?
続いては、「止まってはいけない回遊魚は睡眠をとると死ぬ?」という疑問についてみていきましょう。海の中を常に泳ぎ続けて生活をしている回遊魚は、「睡眠をとっていない」と思われがちですが、そんな魚達も「睡眠をとっている」と言われています。
マアジやタチウオのように鰓呼吸ができる魚は、静止して休憩したり、睡眠をとることがあるそうです。
またマグロやカツオのように、ラムジュート換水法で呼吸を行っている魚は、ゆっくり泳ぎながら、右脳と左脳を交互に眠らせていると言われています。
このように、止まってはいけないと言われる回遊魚は、泳ぎ続けていても睡眠がとれることから、「睡眠をとると死ぬ」ということはありません。
回遊魚の種類【大型回遊魚】
ここまでは、回遊魚に関する疑問について解説してきました。ここからは、マグロやサメといった大型回遊魚の特徴をご紹介していきましょう。
回遊魚の種類①マグロ
回遊魚の代表格と言われるマグロは、スズキ目サバ科マグロ属に分類される大型の魚で、日本を始めとする世界各地で食用魚として漁獲されています。
その全長は60cm程のものから3mに達するものまで、種類によって様々です。水中生物の中でも、高速で泳ぐことができるマグロの最大速度は、時速80km以上にもなると言われています。
種類によって、分布地域や生息水深は異なりますが、全世界の熱帯・温帯海域に広く生息しています。ラムジュート換水法で呼吸をしているマグロは、泳ぐのをやめてしまうと呼吸ができなるくなるため、睡眠中でも泳ぎをやめることはありません。
回遊魚の種類②サメ
サメは世界中に9目34科105属509種が存在し、日本では9目32科64属130種が認められています。
体の大きさは種類によって様々で、最大と言わるジンベイザメの全長が14mもあるのに対し、最小のツラナガコビトザメの全長は22cm程で、平均的には1m~3m種類が多くなっています。
「獰猛で危険」なイメージのあるサメですが、人に危害を加える可能性のあるものは20~30種類ほどで、多くのサメは人に危害を加えることはないそうです。先程ご紹介したマグロ同様に、泳ぐのをやめてしまうと呼吸ができなるくなるため、睡眠中でも泳ぎをやめることはありません。
回遊魚の種類③ブリ
ブリはスズキ目アジ科に分類される大型の魚で、日本では重要な食用魚として扱われています。
大きさによって呼び名が変わる出世魚でもあり、イナダやハマチなど日本各地で様々な呼び方がありますが、一般的に全長が80cm以上のものが「ブリ」と呼ばれています。
東シナ海やカムチャッツカ半島・ハワイまでの北太平洋に広い海域に分布しており、日本では日本海南部と北海道南部から九州の太平洋岸に生息しています。
回遊魚の種類【中~小型回遊魚】
ここまでは、大型回遊魚の特徴をご紹介してきました。ここからは、中~小型回遊魚の特徴をチェックしていきましょう。
回遊魚の種類④カツオ
カツオはスズキ目サバ科に属する魚の1種で、全世界の熱帯・温帯海域に広く分布しています。日本では太平洋側に多く生息しており、日本海側ではほとんど見かけることはありません。
日本の食卓にとても馴染み深い魚で、40cm程度で漁獲されることが多い魚ですが、大型のものは全長1m・体重は18~20kgまで成長するものも少なくありません。
泳ぐ速度はマグロよりも遅く、時速30km~50kmですが、移動する距離はマグロ以上とも言われています。
回遊魚の種類⑤サケ
サケはサケ目サケ科サケ属の魚で、高い母川回帰性(ボセンカイキセイ)があります。川で生まれたサケは海へと出ていき、一定期間が過ぎると卵を産むために生まれた川へと戻ってきます。
日本海やオホーツ海・ベーリング海、北太平洋の全域に生息しており、日本国内では石狩川や豊平川などがサケが遡上する川として知られています。
サケがなぜ生まれた川へ戻って来られるのかは、定かになっていませんが、「母川のニオイを頼りに回帰する」という説が有力視されています。サケは鰓呼吸ができるため、泳ぐことをやめても死ぬことはありません。
回遊魚の種類⑥イワシ
イワシという名前のついた魚は数多くいますが、日本ではニシン科のマイワシとウルメイワシに、カタクイワシ科のカタクチイワシを加えた3種類を「イワシ」と呼んでいます。
イワシは、日本だけでなく世界各地で漁獲され、食用や飼料・肥料などに利用されています。成魚でも全長が10cm~30cmのイワシは数百~数千匹の群れを作って回遊するのが特徴です。
ブリなどの大型回遊魚は、イワシを餌とするためイワシの回遊ルートを知ることは、ブリなどの大型回遊魚を捕まえるチャンスにもなります。
回遊魚の種類⑦タチウオ
タチウオは、スズキ目サバ亜目タチウオ科に属する回遊魚です。体表には鱗がなく、全身は銀色に光るグアニン質で覆われています。左右に平たい体は刀のような形をしているのが特徴です。
世界中の熱帯から温帯にかけて分布しており、海面近くから水深 400m 程度の範囲の泥底近くで群れをなして生活しています。潮の流れが穏やかの場所では、海面に頭を向けて立ち泳ぎすることもあります。
釣りの対象として人気の高い魚ですが、餌を一気に喰わないのでタイミングを取るのが難しく、難易度の高い魚となっています。
ユニークな魚「回遊魚」の釣りに挑戦してみよう
今回は泳ぎ続ける魚、回遊魚に関する疑問を解説するとともに、回遊魚の種類や回遊魚を釣るためのポイントを詳しくご紹介しました。
季節ごとに変化する厳しい状況を避け、少しでも自分達が過ごしやすい場所を求めて移動する回遊魚には、大型のものから小型ものまで、様々な種類が存在しています。
釣りの対象として人気の高い魚も沢山いるので、ユニークな魚「回遊魚」の釣りに挑戦してみてはいかがでしょうか。
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