2020年04月23日公開
2020年04月23日更新
食べられる野草図鑑!実は食べれる身近な雑草を徹底紹介!
道端や山の中に生えている野草の中には、食べられる野草が結構生えています。道端で見かける雑草だと思っていた植物が、ひょっとしたら食べられる野草かもしれません。そんな食べられる身近に生えている雑草・野草を詳しくご紹介いたします。

栄養価の高い野草・雑草を食べてみよう
身の回りで採れる野草・雑草
普段何気なく目にしている道端や公園に生えている雑草の中には、実は食べられる野草が結構混ざっています。雑草だと思い気にも留めていなかった植物が、実は食べられる野草だと思うと、なんとなく楽しくなってきます。
春夏秋冬、季節を問わず、食べられる野草は身の回りで採れると知っておくと、少し毎日の視点が変わるかもしれません。
映画「植物図鑑」では野草ご飯が話題に
有川浩氏原作の『植・物・図・鑑』という映画の中で野草をご飯にして食べるシーンが出てきます。人間関係がもちろん映画の見所ですが、この野草を使ったご飯が話のキーを握っています。
映画に登場する野草ご飯は、カフェで提供されるようなおしゃれなご飯ばかりなので、野草に対する認識が変わった方も多いようです。実際に食べられる野草を探しに行けば、ますますこの映画を楽しめるかもしれません。
野草を採りに行く時の持ち物
実際に食べられる野草を取りに行く時、まず、軍手とビニール袋は必須です。ビニール袋は、小さなものをいくつか持っていくと、採った野草ごとに袋を変えられるので便利です。
また、最初から食べられる野草を採りに行くと決めた日は、ランニングシューズなどの歩きやすい靴で出かけましょう。
もう一つ『野草図鑑』も必需品です。図鑑の中でも、食べられるかどうかが記載されているものを選んでください。片手で持てるサイズで、毒草も載っているものがおすすめです。
食べられる野草
食べられる野草①たんぽぽ
食べられる野草を採取する際、一番難しいのが食べられる野草かどうかの見分け方です。その点、たんぽぽは非常に見分けやすい食べられる野草になります。
3月~5月頃に日当たりの良い場所に自生するたんぽぽは、見つけやすく採りやすい食べられる野草です。一番簡単なレシピは「たんぽぽサラダ」です。天ぷらも美味しいので試してみてください。
なお、たんぽぽには日本タンポポと西洋タンポポがあり、サラダに向いているのは日本タンポポになります。日本タンポポと西洋タンポポの違いは、総苞という花の下の部分で見分けます。上向きならば日本タンポポ、下向きならば西洋タンポポです。
最近は西洋タンポポに侵食され、日本タンポポは見つけにくいかもしれません。
食べられる野草②よもぎ
よもぎは3月~4月の若芽の頃に収穫します。土手や空き地、あぜ道などに自生しています。
若い芽は、食べると健胃、腹痛、下痢、貧血、冷え性に効果があるとされていて、おすすめの調理法はてんぷら、お味噌汁の具、草餅、油炒めなどです。普通の葉物野菜のような扱いで食べられます。
なお、若芽とは言えないくらいに育ってしまったものでも、乾燥させてお風呂に入れれば、腰痛や痔に効果があります。また、生の葉は止血効果があるので、覚えておくと役立つときがあるかもしれません。
食べられる野草③つくし
つくしは日本全国で収穫することが出来る食べられる野草です。本州以南では3月~4月に、北海道では5月に収穫できます。つくしにはビタミンC、ビタミンE、カロテンが豊富なため、冷え性改善、動脈硬化の予防、むくみ解消など、様々な効果があります。
つくしは食べる前に下ごしらえが必要になります。まず「ハカマ」と呼ばれる節の所のギザギザを取ります。ハカマは固くて食べられないため取り除くのですが、この下ごしらえがつくしの調理で一番手間がかかるかもしれません。
ハカマを全て取り終わったら、30分ほど水にさらし、その後、沸騰したお湯で茹でます。茹でた後は冷水に入れ、一晩おいておきます。
つくしは揚げ物や炒め物がおすすめ料理です。天ぷらやかき揚げ、肉と一緒に炒めても美味しく食べられます。また、醤油、砂糖、みりんと一緒に炒めて佃煮にするのもおすすめです。
食べられる野草④しそ
しそは、7月~8月に日当たりや水はけの良い場所に自生しています。スーパー等でも葉が売られているしそは、初心者でも比較的簡単に栽培も出来てしまう食べられる野草です。
殺菌作用が強く、薬味や刺身のつまにも使われます。しその葉を10枚ほど食べると魚介類のじんましんに効果があるとされるほどです。
おすすめの調理法は、青紫蘇なら天ぷらや薬味、赤紫蘇なら梅干し、ふりかけ、ジュースです。
食べられる野草⑤ふきのとう
ふきのとうは水が豊富な山の斜面や林の際などに2月~3月に自生する食べられる野草です。街中ではあまり見かけませんが、近くに林や山があるなら探しに行ってみると良いかもしれません。
雪解けの頃がふきのとうの生え始めの時期で、花が咲く前の、ふきのとうが地面に顔を出し始めた頃が食べごろです。
ふきのとうはアクが強いので、おひたしやあえ物にする場合は、アク抜きが必須です。塩を加え沸騰したお湯で3分~4分茹でます。その後、すぐに冷水につけ、しばらくそのままつけておくとアクが取れます。
なお、天ぷらにする場合は、アク抜きなしで、そのまま揚げて構いません。
食べられる野草⑥ハハコグサ
ハハコグサは、春の七草の一つ「ゴギョウ」の事です。4月~6月に道端や冬の水田に自生します。花は摘み取り、食べるのは葉の部分になります。ぜんそくや百日咳など気管支に対する薬効成分が含まれています。
以前は草餅といえば、このハハコグサで作っていたそうですが、今はあまりみかけなくなってしまったので、ヨモギで作られるようになりました。
おすすめの調理法は天ぷら、草餅、あえ物などです。そしてやはり一番のおすすめはお粥です。
食べられる野草⑦ハコベ
こちらも有名な春の七草の一つです。2月~9月に田畑やあぜ道、道端や荒れ地等、とてもよく目にする食べられる野草です。
食べるのは若い葉や茎で、茹でて食べます。おすすめの調理法は、おひたし、胡麻和え等、そして、やはりお粥です。
食べられる野草⑧ナズナ
ナズナも春の七草の一つで、食べられる野草です。「ぺんぺん草」とも呼ばれていて、この名称なら聞き馴染みもあり、パッと姿を思い浮かべられる方も多いかもしれません。
ビタミンやミネラルを多く含み、鉄分も豊富なので、貧血対策に良いとされています。味はクセがなく食べやすいので、薄味の料理にも合います。
最もおすすめの調理法はお粥ですが、それ以外なら天ぷらやお新香がおすすめです。ナズナは細長くゴボウのように伸びている根も食べることが出来るので、小さなスコップを使って、根っこから丁寧に採るようにします。掘った土の埋め戻しも忘れず行いましょう。
野草のレシピ
レシピ①ふき味噌
ふき味噌は、ふきのとうを使った料理で、瓶詰で販売もされている春を感じさせてくれる食べ物です。
ふきのとうの一番外側を一枚外し、根元や葉先などが黒くなっていたら取り除きます。水に浸してアク抜きを行い、熱湯で茹でます。
一度水にさらして、水気を切ったら、みじん切りにします。鍋に油を入れて熱し、ふきのとうを入れ、砂糖、みりん、味噌などで好みの味付けに調え炒め、水分が抜けたら完成です。
レシピ②野草の素揚げ
野草の素揚げ。ハコベ、ヨモギ、タンポポ、タネツケバナ、スイバ、ナノハナ、ヤブカンゾウ、ノビル、アマナ、ヤブツバキ。。。 pic.twitter.com/Bv8DyREV6q
— Fu : 傅満洲 (@FuManchu56) March 11, 2017
たんぽぽや、よもぎ等、揚げ物がおすすめ調理になっていた野草なら、素揚げにして食べるのもおすすめです。
野草を揚げただけのシンプルな料理は、塩が食べられる野草の味を引き出しクセになる美味しさです。
レシピ③ノビルパスタ
友達に「ノビルでパスタ作ったー」って言ったらみんなにノビルって何?って言われました😇😇
— 雨宮 舞美 (@maimiA_16) April 16, 2020
これです。この玉ねぎみたいなやつ😇
うちの近くの土手にいっぱい生えてるのん🌱 pic.twitter.com/7wieny0hEb
ノビルはネギのような甘さがあるので、パスタに塩豚と一緒に和えます。ノビルは茎と球根の食感を楽しめます。
味付けはパスタゆで汁と、塩豚の塩味だけです。小説版「植物図鑑」に出てくるレシピですが、小説ではベーコンを使っているので、塩豚をベーコンに置き換えても構いません。

毒のある野草に注意しよう
図鑑を携行して、調べるのが一番ですが、特に注意してほしい点を挙げておきます。
- 棘のある植物は食べない
- 葉がテカテカと輝いている植物には近づかない
- キノコは安全なものと姿はそっくりなのに毒を持っているものも多くあるので、手を出さない
- 「傘型の花は危険信号」と覚えて手を出さない
- 白・黄色の実は食べない
- 樹液が白っぽかったり、変色しているものはやめておく
- さやの中に実が入っている植物は避ける
- 苦かったり、石鹸っぽい味のするものはやめておく
- アーモンドのような匂いのするものは避ける
- ツタなど、3枚の小葉で成る植物はやめておく
食べると危険な植物を避ける上で、大まかな指針になる注意点です。よく覚えておいて食べられる野草と区別できるようにしましょう。
毒のある野草①トリカブト
おそらく一度は聞いたことがあるであろう、猛毒を持つことで有名な野草にトリカブトがあります。日本国内だけで30以上の種類が確認されており、芽吹いた頃はセリやヨモギ等と見分けが付きにくい姿をしています。
少しでも不安に思ったなら口にしない方が良いでしょう。
毒のある野草②ドクウツギ
日本三大有毒植物の一つと言われているドクウツギは、落葉低木で、葉や茎より、実を取って食べてしまいそうになる植物です。
幹は赤褐色で灰色の皮目があり、毒々しい雰囲気があります。葉も果実も有毒ですが、果実が甘いため、誤って食べてしまう例が多いようです。雌雄同株で雄花と雌花があります。果実は8~10mmの液果状の痩果で、多肉質に肥大化した花びらに包まれています。
初めは赤色で、熟すと黒紫色になります。
毒のある野草③ドクセリ
セリと間違えやすい毒のある野草にドクセリがあります。セリとの違いは、葉が細く先端が尖っており、根茎を引き抜いて、筍状の節があるならドクゼリです。
茎は空洞で上部で枝分かれし、その先の放射状の花をつけます。トリカブト、ドクウツギと共に日本三大有毒植物の一つとされています。
身近な野草・雑草で一品作ってみよう
たんぽぽやハコベ、ナズナ等は、今でも空き地などを探せば、手に入れることが可能な雑草です。意外と身近な所に生えている、食べられる野草を採取してみて、何か一品、料理を作ってみてはいかがでしょうか。
意外と美味しくて楽しい趣味になるかもしれません。
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