DIYにおすすめのMDF材とは?初心者でも失敗しない塗装するコツを徹底解説!
自分好みにハンドメイドができるDIY、近年は棚やカラーボックスなどをDIYする方も増えています。そこでおすすめなのが加工しやすく特別な工具がいらない、塗装次第できれいに仕上がるMDF材です。MDF材の特徴や初心者でも失敗なく塗装できるコツを紹介します。
MDF材とは
DIYに使いやすいMDF材とは「medium density fiberboard」、ファイバーボードの一種であり木材チップを加工してボード型にした板です。外見は丈夫なダンボールのような感じで、家具の扉や背板、額縁の裏板などに使用されています。
建築や家具に使われるMDF材ですが、近年では加工しやすい素材なのでDIYに利用する方も増えています。主にホームセンターなどで購入可能ですが、小さなサイズであれば100均でも手に入れることができます。
MDFの使い方
扱いやすいMDF材の使い方は幅が広く、家具や建築などに使われるのが一般的ですが、素材の特徴を活かしてスピーカーや黒板、小物入れなどをDIYする他に、フロアや窓枠にもおすすめです。
MDF材は汎用性の高い木材なのでDIYや工作、家具のリメイクや強度を増すための補強などさまざまな使い方ができます。

MDF材の特徴
いろいろな使い方ができる汎用性の高いMDF材ですが、その特徴を知らなければうまく使いこなすことができません。MDF材を利用する前にまずは特徴をチェックしておきましょう。
特徴①安い
MDF材は一般的な木材よりも安く購入することができる特徴があります。MDF材は木材を加工する際に出てくる小片や繊維、端材など本来なら捨ててしまうものを集めて乾燥、圧縮したものを接着剤でボード状にしたものです。
もともと捨てる部分を再利用しているので価格が安くなり、エコにもつながっているのです。
特徴②反り・割れが少ない
木材は湿度や温度による反りや割れが発生する素材でもあります。木材は湿度によって湿気を吸い込んだり吐き出したりする調湿作用を行います。
しかしMDF材は小さな木材チップを集めて加工したものであり、繊維レベルまでほぐされることで木材が持つ調湿作用が失われ、反りや割れが少なくなるのです。反りや割れが少なければいろいろな使い方ができ、DIYの幅も広がります。
しかしいくら反り・割れが少ないMDF材でも大量の水で濡れてしまうと膨らんで使いにくくなるので注意してください。雨風にさらされるような場所に保管しておけば、調湿作用が少ないMDF材でも木材として加工できなくなります。
特徴③丈夫
MDF材は全体的に圧縮強度があり、丈夫な素材でもあります。MDF材の丈夫さは圧縮強度だけでなく、加工過程で使用される接着剤によって左右されますが、厚みが一緒の無垢材などよりも丈夫になることもあります。
しかし繊維レベルまで粉砕された木材チップを固めているので、ピンポイントに荷重がかかるような使い方や重量によっては使えない場合もあり、たくさんの本を乗せるような本棚の棚板には向きません。
特徴④加工がしやすい
MDF材がDIY素材に人気なのは塗装や加工のしやすさであり、一般的な木材のように節や木目がないぶんどこからでもカットできます。6mm以下の薄いMDF材であればカッターで切断することも可能です。
しかし時間がかかるので、切断するならノコギリを使用しましょう。さらに表面がなめらかなので、接着がしやすくなっています。一般的な木材を使用するより加工しやすいMDF材は、ちょっとした小物作りやリメイクにも適した素材です。
MDF材の欠点
安くて加工しやすい、それなりに丈夫で扱いやすいMDF材ですが、もちろん欠点もあります。この欠点を知ることでDIY初心者でも扱いやすい素材になります。逆に欠点を知らなければ作業が思うように進まない場合もあります。
欠点①湿気に弱い
MDF材は湿度により反りや割れはありませんが、湿気に弱い欠点があります。耐水性が低く、そのまま使用すると腐ったりカビが生えることもあるので、下地でコーティングしたり塗装することをおすすめします。
サンディングシーラーなどの下地剤や塗装などひと手間を加えるだけで湿気に弱い点を補うことも可能、カビの発生を防ぐなら防腐剤を塗るのもいいでしょう。撥水効果のある防腐剤を使用する場合は塗装できない場合もあるので注意してください。
欠点②ビスがきかない
MDF材の欠点としてよく言われるものがビスやネジがきかないということです。ビスやネジを使用すると割れやすいのですぐに壊れてしまいます。そのためMDF材を加工するときは木工用ボンドなどの接着剤を使うようにします。
箱状にする場合は接着剤を使うか、他の木材を挟むことでビスやネジが使えるようになります。MDF材は丈夫であっても強度に不安があるので、強度が必要なものにはむいていません。
欠点③塗装がしにくい
表面がなめらかなMDF材ですが、実は塗装しにくい欠点があります。その理由として吸水性が良いという点で、一般的な木材のように塗装すると塗料が染み込んで仕上がりがきれいになりません。
元々なめらかな表面なので塗装せずとも見た目はきれいなのですが、どうしても塗装したい場合は工夫が必要です。
MDF材への塗装方法
MDF材をきれいに塗装する場合は下処理が必要になります。吸水性の高いMDF材は下地作りが必須であり、いくつかの行程を踏まなければいけません。MDF材への塗装方法をチェックしてみましょう。
塗装方法①サンディングシーラーで下地作り
MDF材に塗装する場合、下地剤であるサンディングシーラーを使用します。サンディングシーラーを下地として塗ることで吸水を防ぐことができます。サンディングシーラーは主に吸水性の高いものに利用される下地剤で、ひび割れや劣化を防ぐこともできます。
塗装前にサンディングシーラーで下地を作るときは薄く、複数回重ね塗りします。粘り気が強く塗りにくい場合は水で薄めて使うようにします。使い方はMDF材にサンディングシーラーを薄く塗り、乾燥させて再び塗る、という方法を繰り返します。
油性と水性の使い分け
下地作りに便利なサンディングシーラーは油性と水性があり、用途に合わせた使い分けができます。油性は乾燥時間が早く作業効率が上がりますが、油性を使用した場合、塗装に使う塗料やニスなども油性にする必要があります。
さらに匂いがきついので換気が必須となるため、風通しの良い場所で作業するようにしましょう。また、下地が劣化している場合も油性のサンディングシーラーがおすすめです。
水性のサンディングシーラーはMDF材だけでなく、さまざまな木材に使用できる下地剤です。匂いが少なく、塗装する塗料やニスを選びません。油性のように同じものでなく、塗料やニスは油性でも水性でもどちらでも構いません。
デメリットとして乾燥時間が長いこと、水性のサンディングシーラーを塗ってから乾かすまではかなり時間がかかります。サンディングシーラーは油性でも水性でも塗る前にしっかりと混ぜてから使うようにしましょう。
塗装方法②サンドペーパー
サンディングシーラーで下地作りができたら今度はサンドペーパーを使ってきれいにします。そうすることで塗装しやすいなめらかな表面が作れます。使用するサンドペーパーは300~600番がおすすめで、迷ったときは間の400番を使うといいでしょう。
ヤスリ掛けの方法はサンディングシーラーを塗ってしっかりと乾かした場所をサンドペーパーでヤスリ掛けし、再びサンディングシーラーを塗ってサンドペーパーでヤスリ掛けを繰り返します。何度も繰り返すことできれいに仕上がります。
塗装方法③塗料を塗る
MDF材を塗装する方法は先程の下地作り同様に、薄く何度も重ね塗りします。サンディングシーラーやサンドペーパーでしっかりと下地作りができていればきれいに塗装できます。
塗装する場合、スプレーやローラー、ラッカーと3つの方法があるので、やりやすい方法で塗料を塗っていきましょう。
スプレーで塗る
スプレー塗料で塗る方法はもっとも簡単な塗り方ですが、発色が弱かったり筋が残る場合があります。丁寧に同じ速度でスプレーすることできれいな仕上がりになります。
スプレーで塗るときはもちろん下地処理をしたほうがいいですが、サンディングシーラーを塗らなくても塗装できます。その場合吸水性が低くなるように何度も重ね塗りしましょう。
ローラーで塗る
ローラーで塗装する場合、スプレー同様に筋が残ることもあります。刷毛よりはローラーのほうがおすすめですが、サンディングシーラーで下地処理をしてから塗るようにします。
こちらも下地剤なしで塗装可能ですが重ね塗りが必須となるので、できるだけ下地処理をしておくようにしましょう。
ラッカーで塗る
乾燥時間が短く、塗面の耐久性がアップするラッカーは薄い色を使うとMDF材が透けてみえるので、重ね塗りがおすすめです。ラッカーを薄く塗り、乾燥させて再び塗る、というのを繰り返し行こないます。
ラッカースプレーも使用できますが、手間と時間がかかるため他の塗り方ができるならそちらをおすすめします。
塗装方法⑥ニスを塗る
塗装が終わって乾燥させたらニスで上塗りします。こちらも塗料などと同様に薄く塗って乾燥、サンドペーパーで表面をなめらかにする、を繰り返しますが、ニスを乾燥させて重ね塗りする場合は1日おいてから行うと綺麗に仕上がります。
ニス塗りのときに使いサンドペーパーはできるだけ細かいほうがおすすめ、400~1000番を選ぶようにします。ニス塗り後にヤスリ掛けすると若干白っぽくなりますが、気になるようであれば1000番以上のサンドペーパーで仕上げます。
コツをおさえて上手にMDF材を塗装しよう
使いやすくて購入しやすいMDF材の特徴やコツを掴んで、いろいろなDIYに挑戦してみましょう。下地処理をしっかり行い、塗り方のポイントに注意すれば初心者でも失敗なく塗装することができます。
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