2020年02月04日公開
2020年02月04日更新
遭難死者が世界一多い「谷川岳」とは?怖い山なのに人気の理由を詳しく紹介!
日本百名山のひとつ「谷川岳」は、初心者から上級者までが楽しめる登山コースや、山頂からの眺望が美しいことで人気の山です。そんな美しい山とは裏腹に、遭難死者が世界一多い危険な山としても知られています。怖い山なのに多くの方が訪れる人気の山「谷川岳」をご紹介します。

谷川岳とは
谷川岳は「日本百名山」のひとつで、群馬・新潟の県境にある三国山脈の山です。多彩な登山コースや様々なアクティビティ、そして何よりも標高が2,000mに至らないながら、山頂からは美しい絶景が堪能できることで、多くの登山者が訪れ魅了されています。
そんな美しく人気の「谷川岳」ですが、実は怖くて危険な「ギネス世界一の山」としても知られています。怖い山なのに多くの方が訪れる人気の理由は何なのでしょうか。ここでは、「谷川岳」の魅力をたっぷりとご紹介します!
谷川岳は遭難者が多いギネス認定された危険な山
谷川岳は、遭難死者が世界一多い山として「ギネス認定」されています。統計が始まった1931年~2005年(ギネス認定の年)までに、何と781名の遭難死者が出ています。
それは、あの世界最高峰「エベレスト」を含む、8,000m越えの14の山の死者数を合計した数より多いです。ギネス認定されてからは、「魔の山」「死の山」として恐れられています。
何故、谷川岳がそんなに遭難死者数が多いのでしょうか。その理由のひとつは、複雑な地形、険しい岩壁、天候の変化が激しいことが挙げられます。手がかり、足がかりを作りにくかったり、滑りやすい場所が多い為、死亡事故を引き起こしやすいと言われています。
もうひとつは、登山者の心構えや装備です。エベレストのような標高が高い山は、危険を認識し、本格的な登山の装備で臨み、ほとんどが登山上級者です。
しかし、谷川岳のような標高2,000mも至らない低山は、警戒心も低く、軽装備で臨みがちです。それが思わぬ事故を招く原因になるのです。
谷川岳の交通アクセス
アクセス① | JR上越新幹線上毛高原駅→関越交通バス谷川岳ロープウェイ行き(約45分) →谷川岳ロープウェイ |
---|---|
アクセス② | JR上越線水上駅→関越交通谷川岳ロープウェイ行き(約20分) →谷川岳ロープウェイ |
アクセス③ | JR上越線土合駅→徒歩約20分→谷川岳ロープウェイ |
谷川岳の登山の様子を動画でご紹介
こちらの動画では、実際に谷川岳で登山をしている様子を見ることができます。ロープウェイを利用すれば、気軽に登山が楽しめるので初心者の方におすすめです。
ルート途中には岩がゴロゴロしており、危険な道もあります。山頂からの素晴らしい絶景も見て取れるので、谷川岳へ登山に行かれる方は是非参考にして下さい。

谷川岳の魅力
世界一危険な山ワースト1の谷川岳ですが、1年を通して多くの方が登山に訪れる人気の山です。初心者から上級者、ファミリーなど幅広い方々が登山を楽しみ、その絶景に魅了され、そしてリピートされています。
怖い山のはずなのに、何故こんなにも多くの方が訪れるのでしょうか。怖さをしのぐ谷川岳の魅力を見ていきましょう。
魅力①絶景スポットがたくさん
谷川岳の最大の魅力は、何といって景色です!登山をしながら絶景を堪能でき、その素晴らしさに魅了されリピートされる方も少なくありません。
ルート途中や山頂など、絶景スポットがたくさんあり、歩きながら、休憩しながら、その広大な自然の風景を存分に味わうことができます。
魅力②高山植物・紅葉
谷川岳では 四季折々美しい風景が楽しめます。夏にはたくさんの高山植物が咲き誇り、可愛らしい花々を眺めながら登山ができます。
高山植物は、森林限界を超えるような高山帯だけに生育する植物のことを指しますが、実際には谷川岳のような標高が低い山にも生育します。ニッコウキスゲ、タニウツギ、エーデルワイスなど、平地では見られない花々を観察できます。
秋には、紅く色づいた紅葉が辺り一帯に広がります。谷川岳の紅葉は、10月上旬から色づき始め、中旬には見ごろを迎えます。関東で最も早く紅葉を楽しめるスポットとして、多くの方がその絶景を見に訪れています。
魅力③積雪登山が楽しめる
谷川岳では、積雪期の登山も盛んに行われています。重装備にはなりますが、冬ならではの綺麗な空気と風景が味わえます。 積雪量が多く、稜線上に現れる大きな雪庇はとても見応えがあります。
かまくらを作って、中でアウトドア料理をして楽しんでいるグループもよく目にします。積雪登山に自信がない方は、「登山ガイド」を活用しても良いでしょう。冬山の技術解説、実技をしながら山頂まで安全に案内してくれるので、初心者の方も安心です。

おすすめはロープウェイを利用するコース
登山初心者の方には、ロープウェイを利用した「谷川岳山頂登山コース」がおすすめです。四季折々の絶景を空中散歩しながら眺めることができ、仲間達とおしゃべりする余裕もあります。
初心者の方や歩くのが苦手な方、お子様連れのファミリーでも気軽に登山が楽しめるでしょう。
コースタイム詳細
ルート | 土合口駅(谷川岳ロープウェイで10分)→天神平駅(0.50) →熊穴沢避難小屋(0.30)→天狗のとまり場(0.30)→天神のザンゲ岩(0.20) →肩の小屋(0.10)→トマノ耳(0.15)→オキノ耳(1.40) →熊穴沢非難小屋(0.40)→天神平駅 |
タイム合計 | 約5時間 ※休憩含まず |
こちらはロープウェイを利用し、天神尾根から谷川岳を目指す日帰りの人気ルートです。谷川岳の見どころスポットを経由し、絶景も味わえるコース内容です。双耳峰と呼ばれる、トマノ耳、オキノ耳の両ピークからは、360度パノラマの圧巻の景色が広がります。
ロープウェイ基本情報
営業時間 | 【4月~11月】 平日 8:00~17:00/土日祝 7:00~17:00 【12月~3月】 全日 8:30~16:30 ※3月から土日祝日は、7:00~16:30 |
所要時間 | 片道約15分(最速7分) ※約3分間隔で常時運行 |
利用料金 | 【片道】大人1,250円 子供(小学生以下)630円 【往復】大人2,100円 子供(小学生以下)1,050円 ※団体割引有 |
谷川岳登山の注意点
谷川岳は美しく魅力がいっぱいの山ですが、冒頭で解説した通り遭難者が多い山としてギネス認定された山です。安易な気持ちで登山を行うと大変な事故になりかねません。
谷川岳登山の注意点をしっかりチェックし、自然は常に危険と隣り合わせだということを忘れず、安全に登山を楽しんで下さい。
注意点①装備はしっかり!
登山には、季節や自分のレベルに合った装備をしっかり行いましょう。歩きやすい靴(登山靴やトレッキングシューズがおすすめ)や脱ぎ着しやすい上着を着用し、持ち物もしっかり備えて下さい。
持ち物は、水筒、タオル、雨具、着替え、コンパス、軽食etc…まだまだたくさんあります。これらは両手がふさがらないよう、リュックに入れることが必須です。個々で備えるものが異なるので、事前に必要なものを調べ、持ち物リストを作成してみましょう。

注意点②天候の変化
谷川岳は、標高が2,000m近い場所なので天候の変化が激しいです。登り始めは晴天でも、途中で雨や雷に打たれることも少なくありません。急な天候変化に対応できるよう、雨具や帽子の備え、心構えが大切です。
悪天候で辺りが暗くなっても、焦って歩き周らず、天気が回復するまでその場でとどまり、落ち着いて行動しましょう。
谷川岳のアクティビティ
谷川岳の魅力は登山と自然の山々だけではありません。他にも、大自然の中で様々なアクティビティを満喫できるスポットがたくさんあります。次は、その中でも特におすすめなアクティビティをご紹介します。谷川岳に訪れたら、是非体験してみて下さい。
アクティビティ①天神峠リフト
谷川岳ロープウェイを利用して谷川天神平へ行けば「天神平スキー場」があり、スキーやスノボを楽しむ方で賑わっています。スキー場にある「天神峠リフト」を利用すれば約7分で標高1,502mの天神峠展望台に到達します。
夏ならリフトの足下には可愛らしい花々が咲き、春はGW期間も積雪があるので、残雪の間を通って展望台に行けます。天神峠から見る谷川岳の景色はまさに圧巻です!
アクティビティ②みなかみパーフェクトガイド 星の鑑賞会
毎年9~10月には天神平で「星の鑑賞会」が開催されています。通常、ロープウェイの営業は17時で終了するため、夜の谷川岳天神平に行くことはできませんが、この期間に限り特別に夜間運航され、夜空に浮かび上がる満点の星を眺めることができます。
9~10月の週末に開催されているので、是非天然のプラネタリウムを堪能してみて下さい。詳しい日程については、公式HPで確認しましょう。
谷川岳周辺のおすすめスポット
最後は、谷川岳周辺のおすすめスポットをチェックしてみましょう!谷川岳に訪れた際は、是非立ち寄ってみてください。谷川岳の思い出のひとつになること間違いないでしょう。
スポット①谷川温泉
山に登った後は、温泉に入ってゆっくり疲れを癒すのも最高のひと時となるでしょう。谷川岳付近には「谷川温泉」があり、日帰り入浴が可能な旅館がたくさんあります。どこの温泉に行っても谷川岳の美しい自然を眺めながら、ゆっくりと温泉が楽しめます。
スポット②モグラ駅こと土合駅
谷川岳近くの「土合駅」は、JR東日本の登山客も多く利用する駅です。ホームが地下深くのトンネル内にあることで有名で、別名「モグラ駅」とも呼ばれています。ホームから出口まで、何と階段が462段もあり、地上に出るまで10分はかかります。
近年では、電車を利用する方だけではなく、駅そのものを楽しもうと観光に訪れる方も増えています。谷川岳を楽しんだ後は、「モグラ駅」との異名を持つこの珍しい駅に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
谷川岳は危険と隣り合わせだが絶景を楽しめる
谷川岳は、遭難死者が世界一多い山として「ギネス認定」された山ですが、絶景スポットがたくさんある美しい山でもあります。確かに、危険と隣り合わせかもしれませんが、谷川岳の知識を持ち、しっかりとした装備で臨めば、決して怖い山ではありません。
不安な方は、途中までロープウェイを利用しても十分に景色を楽しむことができます。谷川岳の素晴らしさを、是非その目で確かめてみて下さい。怖さや不安がいっぺんで吹き飛ぶこと間違いなしです!
その他の関連記事はこちらから

