2019年07月13日公開
2020年04月20日更新
自転車のブレーキの調整方法とは!ブレーキを調整・修理できる工具も紹介!
自転車の修理やメンテナンスを自分ですることがあまりない方も多いですが、ブレーキも自分で調整したり修理することが可能です。自宅で出来る調整の仕方や必要な工具をご紹介します。自転車のブレーキをメンテナンスしてサイクリングを安全に楽しみましょう。

目次
自転車のブレーキ調整は自宅でも可能?
自転車のブレーキは無くてはならないものです。ブレーキの調子が悪いとき、ブレーキの修理をどうするか困る方も多いです。自転車の修理なんて分からないからと自転車屋さんにお願いすることが多いかもしれませんが、自宅でも修理することが可能な場合もあります。自転車屋さんが近くに無かったり、まだそのまま使えなくもない緊急性がない場合などは、自宅でブレーキの調整にチャレンジしてみてください。
自転車で一番重要な機能のブレーキ
自転車を乗る上で、ブレーキという機能は最も重要です。ブレーキが無いと思った通りに止まることが出来ず、事故の原因になってしまいます。ブレーキから異音がする、ブレーキが効きにくい、ブレーキバーがしっかり握れない、ブレーキが後輪しか効かないなど、ブレーキに関わるトラブルをそのまま放置するのは危険です。ブレーキのメンテナンスをして、事故が起こらないようにするのが安全です。
自転車のブレーキのメカニズムとは
自転車のブレーキはどのような仕組みになっているかをまず理解しましょう。自転車のブレーキはリブブレーキやキャリパーブレーキなど、自転車によってブレーキの種類は違うものの、メカニズムはほぼ同じです。自転車のハンドル部分のブレーキバーとブレーキ本体がワイヤーでつながっています。ブレーキ本体にはアームという金属の部分にブレーキシューが付いています。
ブレーキバーを引くとブレーキワイヤーがアームを引っ張り、ブレーキシューが車輪に接して摩擦で回転を止める仕組みになっています。前輪と後輪を止めるブレーキはそれぞれ独立しており、右のブレーキバーは前輪、左が後輪のブレーキと連動しています。
自宅でできる自転車のメンテンナンス
自宅でブレーキのメンテナンスで可能なのは、ブレーキワイヤーの緩みやたるみです。絞めて緩みを解消することは、自宅でも出来ます。また、ブレーキの要であるブレーキシューはすり減ってしまうため消耗品です。シューは自宅でも工具があれば交換が可能です。長く自転車に乗る方は、ブレーキシューの交換を自分で出来るようになると楽です。
自転車のブレーキ調整に必要な道具
自宅で自転車のブレーキを調整するのに必要な道具をご紹介していきます。あると便利なものや、他の用途にも使える工具もあるので、一度揃えてしまうと他のメンテナンス等にも役立ちます。
軍手
まずブレーキの調整で必要な道具は軍手です。自転車のホイールやチェーン部分は汚れがひどく、素手でメンテナンスをすると手が真っ黒になってしまうことが多いです。また、万一のケガにも軍手をつけていれば備えられます。作業には軍手をつけて行うのがおすすめです。
タオル
ブレーキの調整でタオルも必須です。メンテナンスの際に汚れを拭くのに必要で、油をさした後などにも吹きこぼれを拭いたりするためにも使います。厚手のタオルより薄手の方が細かなところも拭きやすいため、おすすめです。
自転車用オイル
ブレーキの調整で、自転車用オイルがあるとスムーズに作業がきます。自転車用オイルは潤滑剤で、固くしまったネジなどの取り外しに便利なオイルです。錆止めの効果もあるため、チェーン周りにも使用できます。自転車を長く使いたい方には必需品です。
ドライバー・六角レンチ
ネジを外したり、ブレーキシューなどを外すのに必要になるのがドライバーと六角レンチです。ドライバーはネジの取り外しに必要で、小さいネジには小さめのドライバーがあると便利です。六角レンチは正六角形の穴のボルトを留めたり緩めたりする道具です。
ボルトによって六角形のサイズが違うため、複数のサイズの六角レンチが付いているセットがおすすめです。六角レンチがあると、ドライバー等で無理に力を入れてボルトを緩めたりしなくても済み、力が弱い女性でも簡単に緩めたり絞めたりすることが出来ます。
ブレーキシュー
ブレーキが効きにくいときはブレーキシューの交換が必要で、交換用のブレーキシューもインターネット等で購入できます。左右セット販売がほとんどで、実際ブレーキをかけた際に左右同時に摩擦をかけるため、同じようにすり減ってしまうため一緒に交換する必要があります。パッド部分が黒いものが多いですが、赤や青などの色付きのタイプもあります。
私腐女子のPEKO。こっちは使い過ぎて自転車屋さんに怒られたロードのブレーキシュー。
— PEKO@C96(月)西あ-68a (@ab_peko) March 25, 2019
(まさか2ヶ月半で溝が無くなってるとは思わなんだ…) pic.twitter.com/f3Mm8Yt6qX
ブレーキシューにもサイズがあり、メーカーによってははっきりどの自転車専用のもの書かれているものあります。持っている自転車と互換性があるブレーキシューか、サイズが合うかなども確認が必要です。
自転車のブレーキの点検ポイント
自転車のブレーキの点検と言ってもどこを見たらいいか分からない方は、4つのポイントに絞って点検を行ってみて下さい。点検に慣れて来たり、自転車好きで自転車の違和感を感じやすい方はどこがおかしいかなと分かるかもしれませんが、ブレーキの状態が分からない方は何が正常化も判断が付かないことが多いです。また毎日乗っていると気づきにくいこともあるので、自転車を降りてチェックを行いましょう。
ポイント①ブレーキバーの動きは正常か
ブレーキをかけたいと思ったときに動かすのがブレーキバーです。このブレーキバーがちゃんと動かなければ、ブレーキはかかりません。ブレーキバーが固くてスムーズに引けない、力を入れなければ引きにくいなどの場合は潤滑油をさす必要があります。ブレーキバーの動きがスムーズかどうかをチェックしてみてください。
ポイント②ブレーキワイヤーのサビや破損
ママチャリなどでは交差になったブレーキワイヤーが目に入りますが、ブレーキワイヤーも破損してしまう事があります。ブレーキワイヤーの外側部分は経年劣化によってひび割れを起こしたり、自転車を倒してしまったりして傷がついてしまう事があります。そのひびが雨などで錆びてしまう事がよくあります。錆びた部分は切れやすいため、ブレーキをかけた際に切れてしまう可能性もあります。切れてしまうとブレーキがかからないため要注意です。
ポイント③アームのチェック
アームは金属部分ですが、自転車を普通に乗っているだけでも変形してしまう事があります。アームが曲がっていないかをチェックします。曲がってしまっているとちゃんとブレーキがかかりにくくなってしまうため、交換が必要です。また、ブレーキバーを引いた際にアームが引っ張られますが、動きがスムーズかどうかもチェックしてください。動きが鈍い場合は自転車用オイルをさしてスムーズに動くように調整します。
ポイント④ブレーキシューの状態
ブレーキシューはブレーキの点検の際に必ず見て欲しいポイントです。ブレーキシューは摩擦によって擦り減ってしまいます。ブレーキシューには溝が付いており、溝が1mm以下になってきていたら擦り減っている証拠です。また、シューの部分に砂などのごみが付いているとブレーキの効きが悪くなるので、綺麗かどうかも見てください。溝部分にごみが挟まってしまう事もあるため、ゴミがあれば取り除きます。
また、ブレーキシューに油が付いていないかも要チェックです。油が付いていると滑ってしっかりブレーキがかからなくなります。油でベタベタしているときは綺麗に拭き取る必要があります。異音があったりブレーキの効きが悪いなと感じたらブレーキシューをチェックしてみてください。
自転車のブレーキの調整方法
ここからは自転車のブレーキの調整方法をお教えします。実際やってみるとポイントが分かってきます。調整も効きが悪いからと無理にしたり、やり過ぎは禁物なものもあるため、調整方法で上手くいかない場合は、自転車屋さんで相談するのがおすすめです。ぜひ自宅での調整方法をマスターしてみてください。
方法①自転車の洗浄
自転車のブレーキを調整する際に、まず行うのが洗浄です。一見、ブレーキの調整のために洗浄をする意味がなさそうに思えますが、自転車にとって汚れは様々な箇所の能力を下げる原因となります。タイヤやホイール部分には砂や小石、アーム付近にも細かなごみなどが付着しやすいですが、そのごみがブレーキシューについてしまうとブレーキの動作が悪くなってしまいます。そのため、汚れを最初に取ってあげる必要があります。
洗浄は可能であれば水洗いをしてあげると汚れがよく落ちるのでおすすめです。ただし、チェーン部分に水が付くと錆びる原因になるため、洗浄後は水気を取ってよく乾かします。水洗いが出来ない場合は、濡れた雑巾で拭き掃除をします。掃除は自転車のメンテナンスの基本になるため、こまめに掃除をして自転車を長持ちさせましょう。
方法②ブレーキバーへの注油
洗浄が終わったらブレーキバーに注油をします。オイルを注す箇所は、ブレーキバーを握って確認していきます。ブレーキバーを握ったときに固い、動作が遅いときはレバーに注油します。また、レバー周辺もチェックが必要です。握った際になにか当たる、擦れる様な感覚がある場所すべてに注油します。
オイルは数滴さすだけで効果があるので、流れるほど注さないようにします。オイルを注すと動きがスムーズになるのが分かるはずです。しかし、それでも動きが悪い場合はブレーキバーが破損していたり、他のパーツの故障の可能性があります。その場合は自転車屋さんに相談しましょう。
方法③ブレーキシューの交換
点検の際にブレーキシューが擦り減っていた場合には交換をします。まず、擦り減ったブレーキシューを外しますが、六角レンチを使ってナットを緩め、ブレーキシューを外します。この時に、ワッシャやネジなど、細かな部品が一緒についているため、外した際にその順番通りに並べておき、新しいブレーキシューを取り付ける際に同じ順番でワッシャなどを取り付けます。ブレーキシューは左右あるため、もう一方も同じように取り付けます。
ブレーキシューの固定は、アームを持って動かした際に、ブレーキシューがタイヤに当たらないかを確認する必要があります。ブレーキはホイールの金属部分に当たって止めるものなので、位置を確認してからネジでしっかり固定します。ブレーキシューがしっかり固定されていないとブレーキが効かなかったりするため、固く絞めます。動きが左右均等になっているかも最後にチェックします。
自転車のブレーキの修理が必要な場合
自転車のブレーキのメンテナンスや調整を普段家で行っていても、自転車屋さんに修理に出した方がいい場合もあります。自分で修理したりできる範囲もあるため、判断に迷った時などに参考にしてみてください。
札幌市東区の自転車店。ブレーキワイヤーがすべて切れたので、脚ブレーキを駆使して訪問。修理は5分とかからず、420円。 pic.twitter.com/sWaOPrrL
— 小笠原 淳 (@ogasawarajun) July 24, 2012
ブレーキの点検ポイントでもお話ししましたが、錆などから急にブレーキワイヤーが切れてしまう事があります。ブレーキが切れてしまったのにそのまま自転車に乗り続けることは危険です。緊急性が高いため、そのまま自転車を使いたい方は自転車屋さんで交換してもらいましょう。またブレーキワイヤーは初心者には特に調整が難しいため、あまりブレーキの交換をしないのであればプロに任せる方が無難です。
ブレーキの点検でもお話ししましたが、アームが曲がっているときも修理が必要です。また自転車を倒してブレーキバーなどを壊したなど、破損の状態がひどい場合も自転車屋さんに修理をお願いするのがおすすめです。倒した際にブレーキ以外の部分も傷めていることもあるため、全体のメンテナンスをお願いすると安心です。
【悲報】ブレーキ死す【厄日】
— 六番 (@6banship) October 26, 2014
泣きそうになりながらふと横を見ると自転車屋さん
修理中 pic.twitter.com/q9NUTqincc
ブレーキが急に効かなくなった、ブレーキの点検ポイントを見てもブレーキが効かなくなった原因が分からないなどの際も、自転車屋さんにお願いするのがベストです。分からないまま下手にいじっておかしくなる前に、自転車屋さんでどこが原因だったのかを教えてもらうほうが確実に直ります。
また、自分でブレーキの調整をしたものの、ブレーキの効きがよくならない場合があります。ちょっとした調整の具合でよくならないこともありますし、油をさしてはいけないところにさしてしまっていたなど、自分では気づきにくいこともあるため、うまく調整できなかった、自分で修理できなかった場合もプロにお願いしましょう。
自転車のブレーキを調整して安全なサイクリング!
自転車を乗るときに自分の命を守ってくれて、周りの人の命を奪ったり傷つけることを防ぐためにも、ブレーキはとても重要です。ブレーキに不安がある、嫌な感覚があるというときは、早めに点検し調整をすると安心です。ブレーキの調整方法も一度覚えると、自転車を長距離で乗った際の不具合にも対応しやすいです。
趣味で自転車を始めたり、運動目的でロードバイクに乗る人も増えています。事故を起こさず快適なサイクリングをするためにも、こまめに自転車の点検をして、自宅でもブレーキの調整を行ってください。ブレーキがしっかり効くという安心感を持って、楽しくサイクリングが出来るように心がけてください。