2020年01月22日公開
2020年06月13日更新
小川張りとは?必要なセッティングテープの自作方法と設営方法を徹底解説!
テントサイトの設営では、テントとタープを用いることが多いですが、特に雨降りキャンプではテントとタープが離れていると不便です。そんなときは小川張りをおすすめします。小川張りをマスターすると雨降りキャンプだけでなく、テントサイト作りのバリエーションが広がります。

小川張りとは?
テントとタープにてサイトレイアウトを行う上での悩み事は、テントに対してどの位置にタープをセットする、ではないでしょうか?
フリーサイトであれば自由度もありますし、それほど悩まないかも知れませんが、区画サイトであればできるだけコンパクトな張り方をしたいところです。
テントを寝室と考えた場合、リビングとなるタープをどのような位置関係にセッティングするのがベストなのか、キャンプのたびに考えてしまう、という人も少なくないはずです。
そんな悩みを解決してくれるテントとタープの張り方が「小川張り」です。小川張りの小川とは、現在のキャンパルジャパンの旧名小川キャンパルに由来します。
以前は小川キャンパルと呼ばれるメーカーでしたが紆余曲折があり、現在キャンパルジャパンとなっています。そのキャンパルジャパンが事実上提唱するテントとタープの張り方、それが「小川張り」です。
「事実上」というのは、「小川張り」をキャンパルジャパンが公式に発表しているものではなくユーザーからはじまった俗称が広がったと言われています。
小川張りのメリットとデメリット
1、2人用の小さなドームテントから、ワンポールテント、かまぼこ型のファミリー向けテントまで、多彩なテントのマッチする小川張り。
小川張りのポイントとなるのが、テント側に重ねる部分にガイラインではなく、セッティングテープを使うところ。これによりメリット、デメリットが生まれます。
小川張りのメリット
小川張りのメリットは以下になります。
・コンパクトにテント、タープのセッティングが可能
・タープが拡大された庇のような形状になるため、テントとタープの導線が明確になる
・雨降りキャンプでもぬれずにタープに移動できる
小川張りのデメリット
小川張りのデメリットは以下になります。
・タープにダイレクトに挿さないポールがあるため、強度に難があり、強風に弱い
・テントとタープが近くに配置されるため、テント・タープの周りはガイラインだらけになる
・連結する張り方なので、あらかじめどのように組み合わせるかイメージしておかないと現地で戸惑う
小川張りは大型ドーム型テントであれば、メインの入り口だけでなく、サイドの入り口などに組み合わせてもOK。小川張りは設営方法を無限に広げる可能性を持っています。
キャンパルジャパンのタープには小川張りを可能にするセッティングテープを付属するモデルがあります。このセッティングテープには複数のハトメが備わっており、テントとの距離関係で位置を調整でき、これが小川張りのキモになっています。
小川張りの張り方を解説!
小川張りに適したタープはウィングタープですが、基本的にはどのようなタイプのタープでもセッティング可能です。小川張りの設営方法の大まかな流れは、
①セッティングテープを接続したタープを張る
②タープの下にテントを設営する
となります。
小川張りの手順ごとのセッティングのポイントを確認してみましょう。
①セッティングテープを接続したタープを張る
・テントの入り口側に来るタープのポールを長めに設定し、入り口の高さを確保します。このとき入り口を風下に設定します。
・テントの後ろ側にくるセッティングテープ側のポールは、およそテントの高さとそろえると良いでしょう。また、前室のあるドームテントであれば、前室をぬいたテント本体の長さにセッティングテープを合わせると収まりが良いです。
②タープに下にテントを設営する
・自立式テントであれば、タープの下でテントを組むと組みづらいので、タープの横でポール組みまで終わらせた後、タープ下へ移動するとセットしやすいでしょう。
・テントを固定してからセッティングテープの長さやテンションを調整すると良いでしょう。
自立式のテントであれば、タープ→テントの設営順ですが、非自立テントはテント側の位置を調整するのが難しいですので、テント→タープで設営したほうが無難ですが、テントの上にセッティングテープを回すなど、若干スキルが必要になります。
GOLITE SHANGRI-LAなどのようにガイラインを通すためのループがトップに付くワンポールテントなどでは、トップにタープを直接結びつける方法もありますので、工夫次第で設営方法の幅が広がります。
設営方法を動画で確認
真横からタープの設営、テントの組み立てが撮影されており、設営の一通りの流れがわかりやすく解説されています。ソロキャンプ用の設営方法として解説されていますが、ドーム型テントとウィング系タープの組み合わせであれば、参考になるはずです。
小川張りのセッティングテープの自作方法
セッティングテープは、キャンパルジャパンのタープに付属するアイテムなので、基本的にキャンパルジャパンのタープでしか使えません。そこで、キャンパルジャパン以外のタープでも使えるようにするのが、セッティングテープの自作です。
小川張りに必要なセッティングテープの特徴は、複数のハトメがついていて設営の時に適切な長さに調整できること。セッティングテープを自作する場合はこの特徴を押さえつつ、小川張りをより手軽にできるよう、テープの両端にDカンやハトメ+カラビナなどを用意します。
セッティングテープの材料
週末のキャンプツーリングに向け、小川張りセッティングテープを自作してみた✨
— かとすけ (@GOOSE_MFP1400) July 8, 2018
ハトメ12個も打って疲れた(笑)
あと先週のキャンツーで帽子なくしたので新調しました✨ pic.twitter.com/4u0QmNf9JX
小川張り用のセッティングテープの自作にまず必要なものは、ハトメがつけられる程度の幅3センチ、長さ2メートル程度のテープです。結束バンドなどを探すと良いでしょう。セッティングテープの長さを調整するためのハトメも手芸店や100均などで入手可能です。
ポールに取り付ける部分を丁寧に製作するのであれば、Dカンを縫い込むのがベターですが、ハトメにカラビナを接続することでも対応可能です。カラビナ自体に強度があるものをチョイスしましょう。
来週キャンプに行くので、タープを買ってみた。
— 月見23号 (@tsukimi23jp) March 18, 2018
で、小川張りをしてみたいのでをネットを参考にしてセッティングテープを自作してみた。
1000円ぐらいで作った簡単なモノだけど実際に使えるかは来週のお楽しみ。 pic.twitter.com/ap6MC3QQkf
小川張りをするためには、このセッティングテープをいかに出せるかが重要です。
タープは風に煽られるとかなりのテンションがかかり、つなぎ目となるセッティングテープには想像以上の力が加わります。昼間はそれほどの風でなかったのに夜中強風でタープが飛ばされた! ということにならないように、強度のある材料の用意が肝要です。
セッティングテープの作り方
完成!
— まぽまぽ@キャンパンマン (@delicad5_cv1w) May 16, 2019
前まで、ケシュアやアメドの小川張りに使ってた自作テープ
アイレになると足りない長さを追加するために、同じテープを買ってきてカシメで打ってみた( ̄▽ ̄)
これで、折り返しの考えても5m50cmはいけるな(´-`).。oO
問題は強度
弱そうなら折り返し部分をミシン縫いにしよう(´-`).。oO pic.twitter.com/rjEyLx1gfE
小川張り用のセッティングテープの作り方を確認しましょう。
シンプルな作りとしては、テープにハトメを打ち込むだけの方法。ただし、ポールの先端が入るサイズのハトメを選択すると、かなり太いテープが必要ですので、ポールにはハトメにカラビナを通して接続するのが良いでしょう。
見た目をスマートにするには、両端にDカンを縫い付け、長さ調整などのためのバックルを取り付けると良いでしょう。ただし、縫い込む糸が弱いとちぎれる可能性があるのため、カシメを使うなど、強度を保つための工夫は必須となります。
小川張りにおすすめのタープ⑤選
キャンパルジャパンのタープであれば、小川張りに最適なセッティングテープが付属しますのでベストですが、風合いや大きさなどで他のタープも検討したいところです。小川張りを前提としたおすすめタープを紹介しましょう。
おすすめ①キャンパルジャパン システムタープヘキサDX
小川張りをするために生まれたタープといっても過言ではないモデルです。セッティングテープと、ラチェット式のポールが付属するので、間違いのない“小川張り”が可能。ドーム式テントとの一体感を追求するなら、このモデルに間違いありません。
おすすめ②ユニフレーム REVOタープ L
左右が非対称な形状を採用するユニフレームのREVOタープ。風向きに対して適切なセッティングができることに加え、左右の先端にメッシュ素材を採用しているので、閉塞感の出がちな小川張りをしても開放感あふれるレイアウトが可能です。
おすすめ③コールマン タープ XPヘキサタープ
ポールが重なり合うように2本でセットアップするクロスポールを採用したタープ。クロスポールを広げるだけでタープの高さを調節できるので、小川張りのようなタープの高さに調整が必要なセッティングでも手軽です。
おすすめ④スノーピーク アメニティタープ ヘキサL
アメニティシリーズのタープは、そのカラーリングの美しさもさることながら、テフロン加工されたUVカットの生地に、高い耐久性を誇るコーナーなど機能性にも優れます。赤いライニングもサイト作りのアクセントになるでしょう。
おすすめ⑤タトンカ タープ3TC
ポリコットン製のタープの代名詞、タトンカの中型タープ。形状はシンプルな四角形ながら、往年のmossのパラウィングのような美麗な稜線が描ける張り姿で人気です。小川張りの際タープの下での焚き火を考えているなら、検討したいモデルでしょう。
小川張りを活用して快適なキャンプライフを
小川張りはタープとテントの位置取りや、後ろ側のポールとタープをつなぐセッティングテープの用意に敷居の高さを感じますが、組み合わせやタープの角度の取り方などで多彩なテントサイト表現が可能です。
なにより、テントとタープの一体感が美しいサイト作りを実現しますので、初めてでは難しいところはありますが、あらかじめキャンプ前にイメージしたうえで何度かチャレンジしながら、自身の「小川張り」を手に入れましょう。
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