2020年01月19日公開
2020年01月19日更新
初心者でも行ける!雪の低山ハイキングのススメ【体験レポート】
「雪山は、登山初心者だから行けないなぁ…」「雪山は、経験ないし怖いから無理!」と思っている方、けっこう多いのではないでしょうか。いえいえ、時期や山を選べば、初心者でも雪山へ行けるんです。ぜひ参考になさってみてくださいね。
雪山は、とっても楽しい!
幼い頃、雪が降るとワクワクした覚えはありませんか?雪山ハイキングを始めると、大人でもそんな気持ちになれるかもしれません。寒くも美しい白銀世界を歩いてみましょう。
雪山は、事前準備が最重要!
都市部附近での降雪のあった日、標高の高い山はもちろんですが、低い山でも積雪する可能性が高まります。そういうタイミングで翌日以降に晴れた日は、比較的リスクが少なく雪歩きを楽しむことができます。
雪山に慣れてくると、・スノーシュー、山スキー、クロスカントリーなどの雪遊びにも挑戦できるようになります。雪歩きは、通常の登山道を歩くよりも体力を使うため、トレーニングにもぴったり。
雪山についての基礎を身に付け、ぜひハイキングにトライしてみてください。
初心者とはどのレベル?
低山の雪山にハイキングデビューできる「初心者」は、すでに夏山をいくつか経験しており、下界とは違う「山の感覚」がある程度身についているレベルを想定します。森林限界を超える山に何度か登り、風の強さ、天気の変わりやすさを経験されている方ならチャレンジ可能です。
登山計画
登山計画書は、必ず作成しましょう。名前・住所・緊急連絡先などのパーソナルデータや、山行の期間・行動予定・エスケープルートなどの計画、食料・装備品などを書き込みます。
自分の山行プランに抜け漏れや無理がないかチェックしたり、家族にコピーして渡す等することによって情報を共有できるため、遭難の際の対応を迅速にしてもらえます。基本は登山口にポストがあるのでそこに投函しますが、登山対象の山の県によってはネットから提出できることもあります。
装備
行動中のウェア
低山の雪山で必要な装備は、お手持ちの無雪期用具にプラスアルファするだけでOKです。
行動中に使用するウェアは、無雪期時の服装にスリーシーズン用以上の厚みの長ズボン・脱ぎ着しやすい長袖シャツなどをプラスします。寒がりな人はタイツ、ミドルにフリース、アウターにウィンドブレーカーやレインウェアなどを着ましょう。
汗をかいたり、寒さを感じたら手間を惜しまず脱ぎ着し、こまめにレイヤリングを調節します。特に冬場は、汗をかくとインナーが濡れて身体が冷えるのでとても重要です。風が吹いて寒ければ、防寒具のニット帽、ネックウォーマー、手袋、なども装着します。
防寒具の小物類はザックから出しやすいところに収納します。ダウンは雨や汗の濡れに弱いので、休憩時だけ使用します。防水の袋に入れてから収納しましょう。
休憩中の防寒具など
基本的には屋外での休憩を想定し、ニット帽、ネックウォーマー、インナーグローブ、防水・防寒手袋、フリース・ダウンを持って行きましょう。
休憩すると、それまで身体を動かしていたため暖かくても、風や気温で体温が奪われるため身体が一気に冷えるのでしっかりとした防風・防寒対策が必要です。
雪山用の装備(低山)
雪歩きのためには、凍っていても雪がなくても歩きやすく、ストレスフリーな「チェーンスパイク」が有効です。アイゼンは、装着に慣れないと手間取ってしまい体を冷やす要因となってしまうのですが、チェーンスパイクなら靴に履かせるだけで楽チンなのです。
それでも念のため、4~6本爪のアイゼンも携帯することを推奨します。また、雪歩きの補助・緊急時に役立つので「ストック(杖)」、登山靴に雪が入るのを防ぐ「スパッツ」も持っていきましょう。
また、雪山は下界の約16倍も日焼けしやすいので、必ず日焼け止めをぬりましょう。こまめに塗り直すのはもちろん、フェイスガードやバラクラバをしても良いです。雪目が怖いので、サングラス・ゴーグルなどを標準装備しましょう。

雪山のリスクとは?
雪解けの濡れや冷えに注意!
山の天気は急激に変わりやすく悪化しやすいので気をつけましょう。初心者の方は、山の上の天気が詳細にわかるサイトや雨雲レーダーなどでしっかり確認し、晴れた日を選びましょう。
しかし晴れて暖かいと、雪解けでルートがぐしゃぐしゃになってしまうことも。手や足の隙間に水や雪が入りインナーが濡れてしまうと、低体温症や凍傷の原因となります。手袋は通気性がよく防水性の高いものを使用し、登山靴には防水加工をしさらにスパッツでガードすると安心です。手袋・靴下の替えを必ず持って行きましょう。
雪上歩きは、体力の消耗が激しい
滑ったり、凍っていたり、踏み抜いて雪に足がズボっとハマってしまったり、雪歩きに慣れていない登山者は特に体力を消耗するでしょう。かなり疲れるので、腹持ちがよくハイカロリーな行動食をこまめに食べましょう。
雪が積もっていると、ルートが不明瞭になる
ルートを確認するための看板や道は雪で埋まっていることもあり、夏道が非常にわかりづらいです。先達者のトレース(足跡)をありがたくいただき、ルートファインディングの参考にしましょう。
トレースのないルートはラッセル地獄
トレースがない場合、自分がルートを開拓しなければなりません。そのことを「ラッセル」と言いますが、誰かが歩いた道を歩くよりも体力を多く消耗します。遭難の恐れもあるため、初心者の場合トレースのない道は避けましょう。
コースタイムより時間がかかる!
雪山は登山地図などに載っている、一般的なコースタイムより約1.5倍は時間がかかると思っておきましょう。最初のうちは、3〜4時間ほどの短時間で歩けるコースで人の入りが多そうな人気の山を選びましょう。
どんな山を選べばいいの?
街から見える、「あの山」で良い
自宅周辺や、通勤中に車窓から見える低〜い山がうっすら雪化粧していればもうハイキングのチャンス。南関東周辺なら、丹沢の塔ノ岳や鍋割山、大山、高尾山、大岳山、筑波山などは通常であればトレースに困らずハイキングできる可能性が高い低山としてオススメです。
あとは富士五湖の周辺や、丹沢・箱根界隈などのアクセス良好な低山を設定してみてください。ハイキングコースやロープウェイ等が整備されていたり、信仰を集める神社などのご神体があったりする山は人気があるので冬でも比較的多くのハイカーが訪れます。
実際に行ってきました、明神山〜高指山
2019/12/22・23の深夜〜早朝にかけて地元で降雪を確認したため、翌日に低山ハイキングへ出掛けました。良く晴れて、ハイキング日和でした。せっかくだから絶景の富士山も楽しみたいねということで、山中湖周辺のマイナーな低山へ。
明神山・高指山ハイキングコースに決定しました。明神山の山頂は山中諏訪神社奥宮がありパワースポットとして、途中のパノラマ台までは車も入れて富士山の絶景ビュースポットとして有名です。
石割の湯付近に自家用車を置き、バスで「山中湖交流プラザ」へ。
マイナーですが、ハイキングコースが整備されているので他の登山者も多く入っており、トレース(足跡)がたくさんあるので安心です!
パノラマ台には駐車場があるため、登山者じゃなくても景色が楽しめます。登り始めた時には晴れて富士山も見えていたはずなので残念。
雪山歩きは夏山より体力を使いますが、久しぶりのこの感触がたまりません!あっというまに明神山山頂・鉄砲木の頭に到着。山中湖諏訪神社奥宮があり、2パーティが休憩中でした。私達も休憩し、富士山にかかっている雲が取れることと、他パーティさんがラッセルしてトレースを作ってくれることを期待しながらラーメンをすすりました。
富士山が、ちょこっと頭を見せてくれました。晴れてきたら、雪と太陽からの強力な紫外線にやられますので日焼け止めをぬり直します。気が済むまで眺めを楽しんだら、再び歩き出し高指山方面へ向かいます。寒いけど、ふかふかの新雪は太陽できらきらと輝いて美しい・・・
雪が走ると足に負荷がかかるけれど、雪があると大またでドカドカ歩いて猛スピードで進める下り坂。雪歩きは時間がかかるので、こういう所でスピードアップしておけば安心です。
東海自然歩道に指定されており、雪でも埋まりにくい高さの丈夫な看板が整備されているため現在地確認も容易です。寒い中では機器類のエラーが起きやすいので紙の地図を持参し、しっかりとチェックしましょう。
雲が取れて、ずーっと見たかった富士山のシルエットが大きく見れて感動しました。富士山にも沢山の雪が付いていますね!この後は下山し、山中湖周辺の宿にて日帰り温泉を探しました。温泉で冷えた身体を温めて、最高の極楽タイムを満喫しましょう。
雪山に行ってみよう
いかがでしたか?登山初心者でも、夏山をいくつか経験されていて、事前準備をしっかり行い計画すれば、雪山デビューもそんなに難しいことではないとお分かりいただけたと思います。
まずはハイキングから始めて雪に慣れていき、知識や経験を積みステップアップしていけば、ピッケル・アイゼンなどを使用する雪山厳冬期の本格登山も夢じゃありません。ぜひ、雪の低山ハイキングにチャレンジしてみてくださいね!
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