2019年11月29日公開
2019年11月29日更新
意外と簡単!枝豆を水耕栽培で育てる方法とは?注意点やコツを詳しく解説!
おつまみの定番枝豆を自宅で水耕栽培できることをご存知でしょうか。一見難しそうな枝豆の栽培も土を使わない水耕栽培なら、部屋を汚すこともなく安心です。栄養満点で健康効果も高い、身近な野菜「枝豆」の水耕栽培にチャレンジしてみましょう。
枝豆を水耕栽培するために必要な知識
アルコールを分解する効果や高血圧予防に効果があることから、お酒のおつまみとしても人気の枝豆ですが、実は知らないことも多いのではないでしょうか。普段なにげなく食べている枝豆のことを、栽培を始める前にもう一度おさらいしてみましょう。
枝豆の特徴について
枝豆は、タンパク質やビタミン類、イソフラボン、鉄分、葉酸、食物繊維など、たくさんの栄養成分が含まれていることから、年齢性別問わず人気がある野菜です。
枝豆は、未成熟の大豆を収穫したもので野菜に分類され、大豆になると豆類になります。花は白色や紫色で、主茎と分枝のそれぞれにうぶ毛が生えた実が成ります。ひと房には通常2〜3粒の豆が入っています。
美味しい枝豆の選び方は、鮮やかな緑色で、うぶ毛がフサフサしていて、ひと枝にたくさん房ががついているものです。枝についたままの物の方が鮮度が保たれているのでおすすめです。
通常の枝豆の栽培時期は、地域や品種によって差がありますが、4月上旬~6月中旬までに種をまき、収穫は早い場所で、6月下旬~8月中旬、遅い場所では8月中旬~9月中旬までとなっています。
枝豆の収穫期間は極端に短く、約1週間~10日間しかありません。
枝豆は大きく分けて3種類
枝豆は、400もの品種がある野菜です。枝豆は大きく分けて3種類あり「白毛豆・青豆」「茶豆・だだちゃ豆」「黒豆」が代表的なものです。
品種の開発も頻繁に行われており、これらを掛け合わせたも第4の枝豆もあるほどです。
「白毛豆・青豆」は、全国で最もたくさん生産されている枝豆で、スーパーなどでよくみかけるのはこの白毛豆です。主に関東と北海道で生産されており、クセがなく食べやすいのが特徴の枝豆です。
うぶ毛が白いものを「白毛豆」といい、豆がクリーム色や、薄い緑色のものを「青豆」と呼んでいます。「はねっ娘会」「早乙女」「サッポロミドリ」「小糸在来R」などのブランドが有名です。
「茶豆・だだちゃ豆」も人気の枝豆の品種です。中の豆部分の薄皮が濃い緑色になっているものが「茶豆」、サヤのうぶ毛が茶色のものが「だだちゃ豆」です。
サヤの中は豆が2粒のものが多く、甘みが強いのが特徴です。収穫時期はやや遅く8月上旬〜9月中旬になります。山形県の「だだちゃ豆」、新潟県の「黒崎茶豆」「越後ハニー」が有名です。
「黒豆」は、関西方面で多く作られていて、薄皮が黒っぽいのが特徴の枝豆です。収穫時期は茶豆よりもさらに遅く、9月下旬から10月中旬です。収穫時期が短いため生産量も少なく貴重な品種です。
有名なブランドは「紫ずきん」「丹波篠山黒大豆」です。
意外と知らない枝豆の歴史
日本で枝豆が食べられ始めたのは、奈良時代や平安時代頃だと言われています。江戸時代中期には、庶民が枝豆を食べていたことが記録に残っています。枝豆は、日本では非常に馴染みの深い食べ物なのです。
江戸時代に売られていた時の商品名「枝つき豆」「枝なり豆」が、現在の「枝豆」という名前につながったということです。
枝豆を食べるという文化は、日本だけではなくアジア特有の食文化で、1991年に西洋の書籍で「枝豆はアジア特有の新作物」と紹介されました。現在は、和食&健康ブームで海外でも人気の食べ物になっています。
枝豆を水耕栽培する方法
水耕栽培とは、土を使わず水と液体肥料で植物を育てる方法です。溶液栽培とか、ハイドロカルチャーとも呼ばれています。
水耕栽培に向いているのは葉物の野菜と言われていますが、よく見かけるカイワレ大根や、もやしなども水耕栽培で生産されている野菜です。
通常の栽培と違い、外と隔離して屋内で栽培することで、衛生管理がしやすいため、無農薬で植物を育てることが可能です。また、季節や天候に影響されることなく生産することができます。
無農薬で、計画的に野菜を収穫することが可能なので、大規模な工場のイチゴやトマトなどの水耕栽培も増えてきています。
水耕栽培の方法①発泡スチロール
枝豆を自宅で水耕栽培するために便利な道具をご紹介します。複数の苗をまとめて育てるなら、発砲スチロールを加工して使うのがおすすめです。
発泡スチロールの良い点は、エアポンプを入れることができることや、養液の入れ替えがしやすことです。
ただし、厚みがある発砲スチロールでも、完全に光を遮ることは難しくアオコが発生しないように工夫する必要があります。
水耕栽培の方法②ペットボトル容器やプラスチックコップ
枝豆の数が少ない時は、ペットボトルやプラスチックのコップを使うのがよいでしょう。ペットボトルは飲み口の部分と本体を切り離し、飲み口側を逆さにしてそこに苗を差し込み、本体にセットして使います。
プラスチックのコップは、ストロー穴付きのフタがあるものが使いやすくおすすめです。こちらも枝豆の苗をストローの穴に差し込んで、本体と合わせます。
どちらも苗が抜け落ちてしまいそうな時は、根をフェルトや、不織布で包んでから差し込むとよいでしょう。本体には、根が半分浸かるくらいの量の培養液を入れます。
日当たりの良い場所におき、培養液が減ってきたらその都度足します。定期的に入れ替えてあげると清潔に管理することができます。
水耕栽培の方法③簡単安心な水耕栽培キット
販売されている水耕栽培キットを購入すれば、枝豆の水耕栽培をすぐに始めることができます。コンパクトなものから、プロ仕様のものまで様々なタイプが揃っています。
液肥や、育て方の解説書まで必要なものは全てセットされているので、道具がなにもないという場合はキットから始めるのもよいでしょう。
枝豆を水耕栽培するためのコツ
枝豆を水耕栽培する最初のステップは、種(豆)を発芽させることです。枝豆は高めの気温で発芽します。湿らせたスポンジで根を出させてから、ポットに植え込みましょう。
コツ①上手に発芽させるには
種を発芽させて苗を作るために、まずは種を発芽させましょう。枝豆が発芽するのは、20〜30℃と少し高めでの気温です。発芽に日光は必要ないため、暗い場所で管理します。簡単に枝豆の発芽を促す簡単な方法をご紹介します。
ティッシュペーパーを使って発芽
ひとつは、ティッシュやキッチンペーパーを使い発芽を促す方法です。四つ折りにしたティッシュペーパーを、水で濡らし手ではさんで軽く水気を切ります。その上に種となる枝豆を置きます。
水分が蒸発しないように、上にも軽く濡らしたティッシュをかぶせて、暗く暖かい場所で管理します。2〜3日で根が伸びてきますので、根が出たらスポンジに移しかえます。
スポンジを利用して発芽させよう
スポンジで直接発芽させる方法もあります。湿らせたスポンジに種を置いて、暗くて暖かい場所で、乾かさないように管理するというのは、ティッシュペーパーを使った方法と同様です。
スポンジを使う時に注意することは、種をスポンジに押し込まないことです。種が圧迫されると呼吸ができなくなり、うまく育ちません。目の荒いスポンジに、軽く挟むような感じで種を置くのがポイントです。
吸水性、保水性のよい水耕栽培専用のスポンジは使いやすく種の発芽率も上がります。
コツ②水と肥料の与え方
水耕栽培は、水と肥料の与え方にもポイントがあります。まずは水耕栽培専用の液体肥料を使うこと。説明通りに用量を守って薄めて使用します。
それから、畑のように上から水を与えないことです。水耕栽培では、水で薄めた液体肥料を下の容器に入れて、根から吸収させるのが基本です。培地は常に湿った状態を保つようにします。
コツ③置き場所について
屋内で育てる水耕栽培は、日照不足になりがちです。2〜3時間しっかり日差しが当たる場所に置くか、足りない時は、水耕栽培用のランプを使うのも良い方法です。
日当たりが悪いと、生育に影響が出るのはもちろん、カビを発生させる原因にもなるので、置き場所を日当たりに配慮が必要です。
コツ④とても大切な摘芯の方法
枝豆の花が咲いた時、または本葉が4〜5枚になった頃に摘心を行います。摘心とは、成長点を摘むことで枝豆の上方向への成長を止め、背が低く根が強い枝豆にすることです。
それにより枝の数が増え、サヤもたくさん付き収穫量が増えます。摘心は、大切な作業ですので、必ず行いましょう。摘心は、消毒したハサミでカットするか、手で摘み取ります。
コツ⑤枝豆の収穫
サヤの8〜9割がよい感じに膨らんだら収穫時期です。株ごと容器から引き抜いてしまいます。簡単ですが、中には未成熟なものも含まれているので少しもったいないと思うかもしれません。
まだ食べるには早いというサヤが多い時は、できたものからハサミで切って収穫します。この方法だと、少しずつ収穫できるので、長く枝豆を楽しむことができます。
枝豆の水耕栽培の様子を動画で見てみよう!
動画で枝豆の水耕栽培のくわしい育て方を確認することができます。自作の道具でできるなんて、チャレンジしやすいですね。
枝豆を水耕栽培するときの注意点
枝豆の水耕栽培では、カビに注意しましょう。屋内という環境では日照不足と通気性の悪さから、どうしてもカビが発生しやすくなってしまいます。
屋内で育てることで、害虫の被害にあうことは少ないですが、窓を開けたときに飛んでくる虫は防ぐ対策をしましょう。
注意点①害虫
枝豆につきやすい虫は、カメムシやハダニなどがあります。ただ、水耕栽培は屋内で土を使わず育てるため、あまり害虫の心配はありません。
ただし、飛んでくる虫には注意が必要です。日に当てたり、窓を開けて置いたりする時はネットで防御するなどの工夫が必要です。
注意点②カビ
水耕栽培でカビが発生する原因は、水のやりすぎ、換気の悪さ、日照不足です。屋内で管理する水耕栽培は、換気が悪くなりやすく、埃がたまったり細菌が繁殖したりしやすくなります。
また日当たりの悪さもカビの発生の原因になります。日照が足りない時は、水耕栽培用のライトを導入することも必要です。
換気と日当たりに気をつけ、定期的に容器を洗い環境を清潔に保つことがカビを予防することにつながります。
枝豆を水耕栽培して料理やおつまみに!
自宅で育てる枝豆も、水耕栽培なら気軽に始められます。少しずつ収穫して毎日の料理に添えたり、おやつやお酒のおつまみとして楽しみたいですね。
ペットボトルなどの身近にあるもので栽培キットを手作りすればコストもかかりません。毎日新鮮で安全な枝豆が食べられるというのも大きな魅力です。
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